リロケーション (relocation)/ エリアマーケティング・商圏分析・GIS用語集
意味
再配置。移転。 商圏内の店舗移動、つまりは店舗・拠点の再配置を意味します。 多店舗展開(チェーン展開)している既存の店舗・拠点を、営業活動・製品配達などにおいて売上増加や効率化するために統廃合し、新しい地域に置くことです。その目的は大きく3つに分かれます。
立地改善を目的としたリロケーション
赤字店や不振店であっても、出店するときは売上が見込めると判断し店を出したはずです。 しかし予想と異なり売上が低い、もしくは出店直後は好調だったはずが徐々に売上が落ちてきたとすると、原因の1つとして立地が考えられます。 マーケットポテンシャルはあるものの、立地によってそれが生かしきれていない場合、もしくはさらに立地の良い場所に、後から競合店が出店した場合などです。この場合はマーケットポテンシャルを多く吸収できるようなリロケーションが求められます。 退店(スクラップ)も1つの案となりますが、一度出店しているため、その地域限定だとしてもブランドイメージの低下が起こる可能性を考えなくてはなりません。
認知向上を目的としたリロケーション
既存店舗の売上が良い場合も、その売上の維持・向上を目指し、認知度を上げるためにリロケーションを行うことがあります。 競合店が商圏内に出店した際に、売上が下がる可能性が考えられるからです。先手を打つという意味で、商圏を守るためのリロケーションです。
市場への浸透を目的としたリロケーション(効率的な店舗増加)
既存店舗の売上が素晴らしく、同じ商圏にさらに新店舗を作っても売上が見込める場合のリロケーションです。この場合、商圏のマーケットポテンシャルが大きいということが前提となります。商圏内でいかに効率よく、売上を上げられる店舗位置を探します。(ドミナント配置)
GISを使ったリロケーション(拠点、店舗の再配置)の一例を以下に記載します。
リロケーション(拠点、店舗の再配置)をするために
-1.既存店舗の位置を把握(既存店舗の商圏分析)
既存店舗を地図上にプロットし、商圏(仮定商圏)を作成します。 店舗の売上を取り込むと、グラフ化することによって製品別売上比率等を見ることができます。
リロケーション(拠点、店舗の再配置)をするために
-2.顧客データの分析
顧客データを地図上にプロットし、実勢商圏を把握します。
どこから顧客がきているかを地図上で見ることができるため、顧客を取り合っている店舗等を把握できます。
ターゲットとなる人口等を母数にすることでシェアの算出や、地域別売上(マーケットポテンシャル)も見ることができます。マーケットポテンシャルが大きいところが新店舗候補地となる可能性が高いようです。
リロケーション(拠点、店舗の再配置)をするために
-3.空き物件の商圏把握(候補地の商圏分析)
再配置する店舗の候補地を地図上におとしこみ、実勢商圏・マーケットポテンシャルなどと重ね合わせて、物件を絞り込むことができます。