店舗出店の立地選びにマーケティングを取り入れよう!具体的な方法とは?
店舗出店を成功させるためには、マーケティングを意識した立地選びをする必要があります。店舗ごとに適した立地を選ぶことで、集客面において良い影響を与え、店舗の継続的な売上が見込めるでしょう。
本記事では、企業において新規店舗の出店を初めて経験する方や、自分の店舗をこれから持つ方などに向けて、立地選びのポイントとマーケティングの効率化について解説します。
「店舗出店についてまだ詳しく知らないけれども、好立地を見つけて新規店舗の出店を成功させたい」と考えている方は、ぜひ活用して立地選びの効率を高めてください。
目次
店舗出店に「好立地」が絶対不可欠!
店舗の出店を成功させるには、新規店舗にとって出店予定地が「好立地」であることが重要です。好立地とは「商売をする上で適した場所」という意味ですが、店舗を出店する際にはどのような場所が好立地といえるのでしょうか。
「目視で認知した」「店舗の前を通った」なども、顧客が店舗を認知する大きな要因となっており店舗のマーケティングにおいて立地の精査は欠かせないのです。
現代ではポータルサイトなどで店舗を認知する顧客も増えています。しかし、人目につき通りかかったときに入りやすい店舗が「行きやすい」と受け止められやすいという傾向は未だに根強いため、好立地を選んで出店することが顧客の認知や来店につながるでしょう。
また、立地の良い物件を選んで店舗を出店すると新規顧客を集客しやすくなります。集客効率が上がれば広告費のコスト削減もしやすく、利益率も上げられるでしょう。
店舗出店の立地選びで欠かせない3つのポイント
ここでは店舗出店の立地選びに欠かせない3つのポイントとメリットを説明します。店舗の新規出店が成功させるために、マーケティングを意識した立地の選び方を確認していきましょう。
立地選びのポイント1:見込み客が集まるエリアであるか
立地選びで一つ目にチェックすべきポイントは「店舗の出店を検討しているエリアに、どれほどの見込み客が集まるか」です。「見込み客」とは、まだ自店舗の商品やサービスを利用したことはないが、将来的には購買につながりそうな顧客を指します。出店予定地は見込み客がどれほど集まるエリアなのか、調査・分析をおこない状況を把握しましょう。
店舗周辺に集まる見込み客数は、駅からの距離や面している通りなどによって異なります。見込み客数が多ければ多いほど顧客も増える傾向が強いため、駅や商店街からの所要時間やエリア内の人口などを調べておきましょう。
また、自店舗の営業する曜日や時間に合わせて商圏のライフスタイルを把握しておくこともポイントです。例えば、土日祝日に営業する店舗はファミリー・学生向け、平日の場合は土日祝日に忙しいサービス業の方や主婦向けというぐあいに、自店舗のターゲット層をはっきりさせておくと、見込み客がどの程度存在するかがわかり、立地を選ぶ際の判断材料となるでしょう。
これらの調査はエリアマーケティングという視点でも重要な要素です。出店時だけでなく、営業を始めてからの戦略立案や販促の施策、運営改善などに活かせるため、なるべく詳細なデータを集めておくことをおすすめします。
出店候補地周辺の人口数や世帯数を調べる方法は以下のページで紹介しています。
立地選びのポイント2:店舗の外観が入りやすく分かりやすいか
二つ目の立地選びのポイントは、店舗の入り口が入りやすく、場所が分かりやすいことです。
顧客は実際に店舗を見かけたときに認知することが多いため、入りやすい外観を備えている必要があります。通りを歩いたときに店舗が目に付きやすいか、ターゲット層から見て入店したくなる外観かどうかを見極めましょう。
例えば好立地かつ良い商品やサービスを適した価格で販売している店舗であっても、外観を見て入りづらい、または入店したくなくなる店舗だった場合、新規顧客を集めるのは難しくなるでしょう。
一般的に、次のような外観をもつ店舗は入りやすいといわれています。
- 入口が広い
- 周りの建物に埋もれず目に留まりやすいデザインである
- 清潔である
- 店内の様子がわかりやすい など
立地選びのポイント3:周辺地域にコンセプトが合致しているか
立地選びにおける三つ目のポイントは、立地周辺の地域と店舗のコンセプトが合っているかを確認することです。
店舗のターゲットをはっきりさせるために、出店の際には具体的なコンセプトを考えるでしょう。
例えば、以下のようなイメージです。
- サイド・メイン料理・スイーツまで、チーズを使ったメニューを専門に提供する飲食店
- 中高一貫校の受験を目指す小学生を対象に、マンツーマン授業をおこなう進学塾
- 料理好きな人も食べる人も楽しい、輸入食材や調味料の品ぞろえが充実した食品店
店舗の業態に合わせてコンセプトを細かく決めると、立地を選ぶ際に何を調べれば良いのか明確になります。目的に沿った具体的な調査ができるため、コンセプトが地域色と合っているかどうか、好立地か否かの判断もしやすくなるでしょう。
立地周辺の施設や環境を調べることも必要です。商業施設内に似たようなコンセプトの競合店舗がないかを確認しておきましょう。
好立地を見つけるためのマーケティングを効率化するには?
店舗の出店候補地を選ぶためには、立地周辺や地域のマーケティングをおこない、データによる商圏分析をすることが重要です。
ここからは、好立地を見つけるためのマーケティングを効率化する方法について説明します。
店舗への動線と商圏を調査する
立地マーケティングの効率を上げるために、店舗の商圏と顧客の動線調査をおこないましょう。
まず、商圏がどの程度なのかを設定する必要があります。次に、商圏に存在する公共交通機関や公共施設などから店舗までの動線を調査していきます。
「動線」とは、人が移動する経路や人が動く流れのこと。人を多く集められる動線があれば、集客面で有利な立地であるといえます。
店舗の商圏を大まかに決めておき、河川や線路といった円滑な通行を阻む障害物や、集客力の高い競合店舗などを加味して具体的な範囲の設定をします。商圏が確定したら、立地周辺の交通や通行人の動線、通行量を調べて来店予測を立てると、より効果的なマーケティングがおこなえます。
商圏内の人口特性を分析する
商圏の人口特性を分析し、出店に適している物件・地域であるかを確認するのも、立地マーケティングの効率化につながります。
商圏が確定した後は、その範囲で生活する人々の特性や人口、今後の成長率といったデータから、店舗がターゲットとする層の割合を調査することがポイントです。
商圏分析に必要な人口推移や男女・年代別の人口構成比率データなどは、市区町村の公式サイトで取得できます。データとして数値化しにくい人々のライフスタイルや金銭感覚を含めた価値観などは、現地調査をおこなう、あるいは実際に話を聞くことで掴めるでしょう。
店舗出店を成功させるためにも入念な商圏分析をして、できる限り正確な人口特性を把握しましょう。
マーケティングは定期的にブラッシュアップする
店舗出店までの立地マーケティングは、情報収集の方法や取得するデータ、分析方法も含めて、定期的にブラッシュアップすることを忘れてはいけません。
立地周辺を取り巻く環境が常に変化し続けるのと同時に、出店計画を進めていくうちにコンセプトが変わる場合や、立地条件が新たに見えることもあるでしょう。そのため、実際に店舗出店をおこなうまでの期間は何度かデータを精査し、都度最新のものにブラッシュアップしていくべきだといえます。
また、新規店舗の出店をしたらマーケティングが完了するわけではありません。出店後も地域の変化を捉えて分析内容を更新し、店舗の販促内容や提供する商品・サービスの内容などを、柔軟に変えていくことが重要です。
これから商圏分析に初めて取り掛かる方のために、以下のページで商圏分析のやり方について紹介しています。
まとめ:効率的なマーケティングで好立地を見つけよう
店舗を開業する際には、コンセプトに合った立地を選ぶことが非常に重要です。コンセプトと立地の条件が合わなければ店舗への興味関心を集めにくくなり、集客効率の低下に繋がるでしょう。
一般的に好立地というのは「周辺に自店舗のコンセプトに合う見込み客が多く集まっているエリア」を指します。自店舗に合う好立地を探し出して出店を成功させるためには、自社コンセプトを明確にするのと同時に周辺地域や立地のマーケティングが欠かせません。
もちろん物件の外観も店舗を選ぶ上でのポイントとなるので、総合的に調査して最も適した立地を見極めましょう。
マーケティングを効率的におこなうためには、設定した商圏から店舗への交通状況を調査して来店予測を立てることや、人口構成の分析などが重要です。
また地域性は流動的に変化していくため、好立地を見つけて開店した後もデータ更新を忘れずに最新の情報を経営に活かしましょう。