【店舗の立地を決めるコツ】3つの分析・調査で最適な場所を選ぼう
「店舗の出店を成功させたいが、良い立地条件が分からない」「効果的な分析や調査方法を知りたい」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
店舗の立地は売上に大きく影響するため、出店前にしっかりと見極めておきたいポイントです。本記事では、立地の重要性や好立地を選ぶメリット、必要な分析方法について解説します。
新規出店を成功させ、売上の安定した店舗を作りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
店舗の立地がなぜ運営に重要なのか
店舗の立地は、開業後の売上を左右するとても重要な要素です。業界では「売上の7割を立地が決める」といわれるほどで、立地選びは慎重におこなう必要があります。
もし自店舗がどれほど質の高い商品やサービスを扱っていても、立地条件が悪いと集客力が弱まってしまいます。また、商品やサービスのコンセプトや営業形態、内装については問題点があれば改善できますが、店舗物件は簡単に変えることはできません。
そのため立地選びの失敗は、事業の失敗につながってしまう可能性もあります。店舗や業種によって適する立地は異なりますが、それぞれに合った立地を選ぶことで成功の可能性を高められるでしょう。多角的な面から立地の調査・分析をおこない、出店地を決めていくことが欠かせません。
店舗にあった立地を選ぶメリットとは
好立地を選ぶと事業の成功可能性を高められることが分かったうえで、さらに深掘りし、自社の商品やサービスに合った立地を選ぶメリットについて、次の2点を詳しく解説していきます。
- 新規顧客を獲得しやすい
- 販促や広告を兼ねる店舗になる
新規顧客を獲得しやすい
店舗型ビジネスにおいて安定した集客を継続させるには、新規顧客を継続的に獲得していかなければなりません。立地条件が悪くても、販促マーケティングを徹底し広告を利用すると高い集客効果を得られ、口コミを集めると安定した新規顧客の獲得が見込めるでしょう。
しかし、広告の出稿には多額の費用と時間が必要であり、口コミもすぐに集まるわけではありません。そのため、これらの施策は費用対効果が低く、失敗する可能性もあります。
そこで重要なのは立地です。立地の良い場所で開業することで顧客の目に留まりやすくなり、販促施策の頻度も減るでしょう。好立地というだけで顧客の認知度を向上させ、興味関心の増加にもつなげやすくなるため、立地選びは新規顧客の獲得に大きく影響します。
好立地によって安定的に新規顧客を獲得できると、集客コストの削減にもつながり利益の拡大効果が期待できます。
販促や広告を兼ねる店舗になる
立地が悪いと店舗の認知度も低くなりがちですが、立地が良い場合は販促や広告を兼ねた店舗になることが期待できます。
本来、店舗を宣伝する際にはチラシやインターネット広告、SNSなどのさまざまな販促・広告施策を取り入れなければなりません。しかし、立地が良く目に止まりやすい場所にオープンした店舗は、存在そのものが広告塔になります。そのため、広告戦略を考える労力や広告の出稿にかけるコストを大幅に削減し、店舗が存在する限り広告効果が見込めます。
集客にかける労力やコストを抑えられる分、店舗の販売戦略や商品開発などに注力しやすくなり、さらに質の高い商品・サービスを提供できるでしょう。
店舗の立地を決めるために必要な分析手法
いざ立地を選ぼうとしたとき、ただ人が多く集まっているエリアであれば良いとは限りません。ここでは、店舗の立地を決める際に必要な分析手法として、次の3種類を解説します。
- 商圏分析
- 立地調査
- 売上予測
どれも店舗の立地を決める際に欠かせない重要な手法であるため、しっかり確認し実施していきましょう。
1.商圏分析
「商圏」とは、顧客となるターゲットが暮らす範囲であり、自店舗の集客が可能なエリアです。「商圏分析」では設定した「商圏」における地理的情報や競合数、人口の特性などを調査していきます。
地理的情報とは、地形や道路の特性などを指します。地理的情報の分析方法にはいくつか種類がありますが、効率的に調査と分析をおこなう際におすすめなのが「GIS(地理情報システム)」の活用です。
GISでは、地理情報に加えて競合店の有無や人口属性を表した統計などを抽出できるため、商圏分析の精度を高められます。
商圏となる候補地周辺にどのような店舗があるのかを調査し、そのうち競合はどれほどあるのかを把握することも欠かせません。競合を調査する際のポイントとして、事前に競合店舗と判断する定義を決めておき、どの商圏においても同じ判断基準で分析できるようにしましょう。
競合店舗の利用客層や周辺に住む人口の特性、来店目的などの調査結果は、出店戦略を決める際の判断材料として役立ちます。
2.立地調査
立地調査では、出店予定地周辺の特性や立地の視認性、動線、交通量などを調査します。
立地の地理的情報に加えて、道路状況や歩行者の数といった特性を調査していきます。地域の地形によって自店舗がどのような見え方をするのか、顧客視点で考えて分析することも大切です。
動線とは人が移動する道筋を表した線をいい、ショッピングモールや駅、スーパーマーケットなど、人が多く集まる施設間の動線上に店舗があるかを確認します。施設間の動線上やその付近に店舗を構えることで、通行人の認知度を増やしやすくなるでしょう。
また、店舗前の道路交通量についても調査し、歩行者だけでなく車で来店する可能性のある顧客数についても把握しておくことが欠かせません。
地図上のデータだけでは時間や曜日などといったエリアの特性で変わる情報は得られないため、立地に赴いておこなう実地調査が重要です。時間や曜日、天候などの条件を変えて複数回調査し、統計情報を把握できるようにしましょう。
3.売上予測
店舗の立地を決めるために商圏分析や立地調査で計測した商圏や競合の情報をもとにして、実際にその立地で店舗をオープンさせた際にどの程度の売上が見込まれるかを分析して売上予測を立てます。
売上予測をおこなう際は、ハフモデル分析を利用して集客可能性を判断することがおすすめです。
ハフモデル分析は「顧客の生活圏から近く、規模の大きい魅力的な店舗ほど集客率は高くなる」という考え方で、分析する店舗の位置から顧客が生活している地域までの距離を測り、店舗の規模を加味して集客率を予測していく分析方法です。
ハフモデル分析は自店舗だけでなく競合店舗の分析にも活用できるため、店舗の規模や顧客の居住エリアからの距離を調査し、自店舗にどのくらいの集客率が見込めるかを算出することも可能です。
まとめ:店舗に合った立地を選び集客コストを抑えて出店を成功させよう
- 店舗の立地は開業後の売上につながる重要な要素
- 集客率を高めるために店舗に合った立地を選ぶことがポイント
- 商圏や立地を分析して売上を予測することが大切
立地は店舗の売上を左右するほど重要であるため、店舗に合った場所を選ぶことが欠かせません。店舗に合った立地を選ぶと認知度が上がるため、新規顧客の獲得や販促・広告効果につながることも期待できます。
商圏分析や立地調査、売上予測などといった分析をおこない、自店舗に適したエリアを見極め、最適な立地に出店しましょう。