ロードサイド店舗とは?特徴やメリット・デメリットを解説します
店舗の出店や改善にあたり、ロードサイドへの展開を検討している企業は少なくありません。
とはいえ、「ロードサイド店舗がどのような形態なのか分からない」「何をしたら集客効果を高められるのか知りたい」と悩む経営者や店舗管理者も多いのではないでしょうか。
今回は、ロードサイド店舗の特徴やメリット・デメリットを解説します。ロードサイド店舗に向いている業種も紹介しますので、自店の店舗形態を選ぶ際の参考にしてください。
目次
ロードサイド店舗とは幹線道路沿いにある店舗のこと
「ロードサイド店舗」とは、主に郊外の幹線道路など、車両の交通量が多い道路沿線にある店舗を指します。ロードサイド店舗に来店するターゲット層の多くは、車両を利用します。
なお、繁華街や都心部の通り沿いにある店舗は、ロードサイド店舗とは呼びません。
ロードサイド店舗の特徴
ロードサイド店舗の特徴として、次の4つが挙げられます。
- 商圏は、車で15分前後の距離
- ターゲット層が幅広く、さまざまな業種で出店可能
- 商品売場面積が広い
- 敷地と建坪の差が大きい
ロードサイド店舗がどのような店舗なのか、ここで確認しておきましょう。
特徴1:商圏は車で15分前後の距離
ロードサイド店舗へ来店するターゲットは、車やバイクでの移動がメインであるため、商圏は自動車で10~15分の距離で設定すると良いでしょう。
また、商圏の人口やターゲットの属性(年齢・家族構成・世帯年収など)によって店舗の売上が変動するため、出店を判断するには商圏分析が欠かせません。
業種や業態によって狙えるターゲットが異なるため、状況に応じてターゲットがいるかどうかの商圏調査をする必要があります。
特徴2:ターゲット層が幅広い
ロードサイド店舗は、幅広いターゲット層の来店が見込めることも特徴です。
例えば、生活道路沿いはファミリー層、産業道路沿いはビジネスマンなど、通りによって異なるターゲットを幅広く設定できます。
また、車両で移動する顧客が多く、商圏外からの来店も見込まれるため、営業時間や提供商品などの自由度も高いです。
特徴3:商品売場面積が広い
郊外は都市部に比較して地価が安いため、床面積を広く取れることが特徴。店舗面積が広い分、売場面積も大きく取れます。
また、面積の狭い店舗では販売できない大型商品も扱えるため、通常の店舗と比べて豊富な品ぞろえで営業できます。
特徴4:敷地と建坪の差が大きい
たいていのロードサイド店舗では「建坪」を店舗の面積、「敷地」をそれ以外の面積として、分けて表記されています。
広い土地を活用できるため敷地と建坪の差が大きく、十分な台数の駐車場を確保しやすいことも特徴です。
敷地面積はロードサイド店舗の必須条件となる駐車場の面積であり、駐車台数の基準となります。
ロードサイド店舗のメリット・デメリット
ここでは、ロードサイド店舗で開業するメリットとデメリットを解説します。
交通量の多さと広い土地を生かして高い集客効果が見込めるのがメリットとはいえ、ロードサイド店舗であればどこでも良いとは限りません。反対に、面積の広さがデメリットとなる場合もあるため、メリットとデメリットのそれぞれを理解した上で出店を検討しましょう。
ロードサイド店舗のメリット
ロードサイド店舗の主なメリットは、次の3点です。
- 坪単価が低く家賃を抑えられる
- 目に入りやすい立地で集客率が高い
- 商圏を広く設定し、幅広い客層を狙える
坪単価が低く家賃を抑えられる
ロードサイド店舗は、都心部の建物よりも坪単価が低いため、
賃貸方式の場合は、テナント取得にかかる初期費用や毎月の賃料を抑えられる、
新たに店舗を建設する場合は、建築費を抑えられることがメリットです。
毎月の費用を抑えられる分、利益率を高く設定できるでしょう。マンションやアパートなどの不動産投資よりも、高い収益性が期待できます。
目に入りやすい立地で集客率が高い
大通りに面しており車両で通る人の目に入りやすく、集客率が高いこともメリットの1つとして挙げられます。多くの人の目に触れやすいため、広い地域のターゲットに早いスピードで認知してもらえる可能性が高いでしょう。
商圏を広く設定し、幅広い客層を狙える
ロードサイド店舗は車での来店が多く、商圏を広く設定できるため、若者から高齢者まで幅広い客層を狙えることが利点です。
ファミリー層やビジネスマンといった地元の顧客はもちろんのこと、郊外かつ駐車場が広いことから、遠距離トラックの運転手、ツーリング中に立ち寄る層などの利用も見込めるでしょう。
ロードサイド店舗のデメリット
集客面でのメリットが大きいロードサイド店舗ですが、次のようなデメリットが存在します。
- 道路からの入りやすさや視認性に、利用率を左右されやすい
- 商圏が広い分、競合範囲も広い
- 敷地面積が広いため、管理やメンテナンスの手間が増える
道路からの入りやすさや視認性に、利用率を左右されやすい
ロードサイド店舗を利用する顧客は、車両での移動中に入店を検討するでしょう。
そのため、どれほど魅力的な店舗を作ったとしても、視認性が低く、敷地内へ入りにくいと来店率が低くなってしまいます。
店舗への入りやすさに加え、道路からの視認性の高さや、十分な駐車場の確保なども欠かせません。
商圏が広い分、競合範囲も広い
ロードサイド店舗は商圏がを広い分、競合も多くなることが注意点として挙げられます。商圏の競合店舗をリサーチして、サービス内容がかぶらないようにすることをおすすめします。
また、ターゲットの生活圏内にかかわらず、さらに遠いエリアの顧客が来店することも考慮して、入店しやすい立地を選ぶ必要があるでしょう。
商圏外のターゲット層も視野に入れる場合は、興味を引くために、より明確なコンセプト設計やそれを表現した店舗デザイン作りが重要です。
敷地面積が広いため、管理やメンテナンスの手間が増える
敷地面積が広い分、管理やメンテナンスの手間が増えることも押さえておきましょう。例えば、駐車場入口への警備員の配置や、清掃員などの業者を雇う場合は人件費が別途発生します。
このようなデメリットについて把握した上での機会損失のリスクをできる限り抑えられるような出店計画が大切です。
もし自社で店舗出店に関する知識が不足している場合、実績のあるコンサル会社などに相談し、出店のプラン提案や集客対策を協力してもらう方法もあります。
ロードサイド店舗に向いている業種とは?
道路沿いであることを利用した自動車販売店やガソリンスタンドなどは、昔からロードサイド店舗として多く見られる業種の例といえます。
広い敷地で多数の品ぞろえが叶い、大型商品も扱いやすい点から、書店やレンタル店、スポーツ用品店、園芸資材店などジャンル特化型の大型店舗にも適しています。
近年では単独店よりも、飲食店や娯楽施設が集まった複合商業施設の出店も増えているようです。
いずれの場合においても、立地や競合店との関係性についてしっかりと調査し、所有する土地に合った出店開発を進めることがポイントです。
まとめ:ロードサイド店舗を上手く活用して集客率アップを目指そう
- ロードサイド店舗は、幹線道路沿いにある店舗
- コストを抑え、広範囲で集客できることがメリット
- 立地や商圏のリサーチ、広い敷地の管理が必要なことがデメリット
幹線道路などの通りに面している店舗を指して、ロードサイド店舗と呼びます。
ロードサイド店舗の場合、車で15分前後の距離が商圏となり、幅広いターゲット層の来店を見込めることが特徴です。売り場面積が広いため、豊富な品揃ぞろえを実現できます。ロードサイド店舗のメリットは、低コストで集客率が高く、幅広い客層を狙えることです。そのため、さまざまな種類の業態と相性の良い物件といえるでしょう。
一方、敷地への入りやすさや周辺店舗との位置関係を把握し、広い敷地を管理する必要があるため、総合的に見た上で対策することが大切です。