立地特性とは?3種の立地特性で出店エリアを見極める方法とメリットデメリット

店舗開発 , 立地分析
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地域の特徴をまとめた「立地特性」は、新店舗の出店時にチェックすべきポイント。立地特性を把握すると「どんなコンセプトにするか」「商品の種類や価格はどうするか」などの方向性が定まり、顧客のニーズに合った店舗運営が実現できるでしょう。

今回は主な立地特性3つの特徴、メリットとデメリットを解説します。

商圏分析で市場を把握。新規出店の調査がスムーズに。

立地特性は3つに分類される

立地特性とは、地形や気候をはじめ、不動産の利用状況・商業環境・インフラの整備状況・交通状況などを含めた地域の特徴です。

立地特性が分析可能な商業統計調査では、

  • 商業集積地区(商業立地)
  • オフィス街地区(オフィス立地)
  • 住宅地区(住宅立地)
  • 工業地区
  • その他地区

に分かれています。

中でも特に注目すべき立地特性は

  • オフィス立地
  • 商業立地
  • 住宅立地

の3つです。

それぞれが全く異なる特徴を持っているので、特に新規出店の候補地がどの立地特性に該当するか必ずチェックしましょう。

立地特性を確認したうえで、自社のコンセプトやターゲット層と擦り合わせていくことが重要です。例えば駅から近く、商業施設が密集している繁華街に大きな駐車場を備えたコンビニをオープンしても、公共交通機関を利用する人が多ければ使われない駐車場に高い賃料を支払い、売上・利益を減らすことになります。

どんなに人通りが多く集客率が高い活力がある立地であっても、地域のニーズに合っていなければ事業の失敗に繋がるのです。

※商業統計調査は、2020年より経済構造実態調査に統合・再編されました。
参照:商業統計調査の廃止のお知らせ|商業統計|経済産業省https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syougyo/haishi.html

オフィス立地の特性は「日中の人口密度」

オフィス立地とは、企業のオフィスビルが密集し、商業施設や住宅がほとんどないエリアを指します。一般的には「オフィス街」「ビジネス街」と呼ばれるエリアです。

オフィス立地はビジネスマンを中心とした多くの人々が訪れるため電車やバスなどの移動手段が充実し、機能的なことが特徴です。

都内では大手町や丸の内といった東京駅周辺・政治の中枢である「霞が関周辺」や外資系企業が多い「有楽町エリア」などがオフィス立地にカテゴライズされます。

オフィス立地のメリットとデメリット

オフィス立地のメリットは「日中の人口密度」の高さです。

特に平日昼間の人口密度が高いため、集客に対する充分な母数を確保できます。オフィス立地の場合は通勤目的での利用が多く毎日のように同じ人々が行き来する特徴があり、顧客の常連化を狙いやすく安定した集客率が望めます。

一方、オフィス立地のデメリットは、夜間や休日に平日のターゲット層がいないこと。仕事が終わった後、多くの人はそのまま帰宅するか周辺の商業エリアへ飲食や買い物にいきます。休日までオフィス街を訪れる人は少ないことから、平日の日中に比べると人の動きが著しく低下します。

オフィス立地での出店を計画している場合は、繁盛しやすいピークタイムと客足が落ち着いたアイドルタイムのそれぞれで商圏分析を実施し、営業時間や提供メニューを変えるなどの曜日や時間帯に合った異なる戦略を組み立てる必要があります。

商業立地の特性は「賑わい」

商業立地とは、大型商業施設が集中しているエリアのこと。デパートや百貨店・娯楽施設・飲食店が密集し、曜日や時間を問わず多くの人々で賑わうことが特徴です。

このエリアはターミナル駅周辺に形成されるケースが多く、都内でいえば「新宿」や「渋谷」「池袋」などが該当します。これらの商業立地は交通網が発達しているほか、深夜営業や24時間営業の店舗が多いという特徴もあります。

商業立地のメリットとデメリット

商業立地に訪れる人々の多くは、遊びや買い物・飲食などの消費指向が高くなっています。
そのため、

  1. 顧客の消費行動に対するハードルが下がっていることから、高い売上に繋げやすい
  2. 時間帯を問わず一定数の集客が見込めるため、販促の費用対効果が高い

などがメリットとして挙げられます。

一方で、商業立地は競合店が多く激戦区になりやすいというデメリットがあります。
激戦区では、視認性やアクセスが良い優良物件の取り合いに発展することも多いです。物件の需要がある分ほかの立地と比べて賃料や初期費用が高く、新規出店時のコストもかさむでしょう。

住宅立地の特性は「競合店の少なさ」

住宅立地とは、アパートや一軒家が集まったエリアを指します。駅から遠い地域が多く、出店している商業施設が少ないことも特徴です。エリア内には個人経営店や小規模商店街が点在し、最寄駅の周辺に商業施設が集まる傾向があります。
都内でいうと「三鷹」「調布」などのベッドタウン、「区境の住宅地エリア」が該当します。

住宅立地のメリットとデメリット

住宅立地は商圏に競合店が少ないので顧客を囲い込みやすく、安定した売上が期待できるというメリットがあります。自動車所持率が高い住宅立地の場合、一次商圏の幅を広げてターゲット層を一気に顧客化できるでしょう。

一方で顧客が地域住民に偏るため、商業立地のような高い売上を望むのは難しいといったデメリットがあります。住民の特性にもよりますが、住宅立地の多くは日常的に利用できる安価なサービスや商品が求められやすいというのが理由の一つです。そのため、店舗の種類が限られやすくなる地域でもあります。

まとめ:自社のコンセプトにあった立地特性を吟味しよう

対象エリアの立地特性を知り周辺施設や人の動きを把握すれば、コンセプトにあった出店地を選びやすくなります。

一度出店すると、顧客のニーズに合わないとしても安易に移転することはできません。新店舗の出店に乗り出すときには、立地特性をよく吟味して売上が伸びる立地を探しましょう。

業績が伸び悩んでいる既存店舗についても、立地特性と店舗コンセプトや市場指向を照らし合わせて分析することが重要です。出店エリアの強みを理解して改善に繋げ、業績回復の糸口をつかみましょう。

商圏分析で市場を把握。新規出店の調査がスムーズに。

タグ : 出店 立地
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