来店率を上げるためには何をすべき?効果的な3つの施策について解説
店舗の売り上げを伸ばすには、顧客単価やリピート率よりも来店率を優先的に上げる必要があります。しかし、どのようにすれば来店率を上げられるのか、具体的にどのような施策を取り入れたらいいのか、悩む方もいるのではないでしょうか。
この記事では、次の項目について解説します。
- 来店率を高めるための考え方
- 来店率アップに効果的な3つの施策
コストを抑えて安定した経営をおこなうためには、アイデアや工夫を生かした施策による来店率アップに取り組む必要があります。
来店率を上げる方法について知りたい方や疑問のある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
来店率は、小売店で重要なKPIの一つ
「来店率」は、小売店のパフォーマンスを把握するために必要なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の1つです。
※KPIは、目標達成に向けた業務の進行状況や達成状況を定点観測して、評価するための指標のこと。
来店率は店舗前を通行する人々のうち、実際に入店する人々の割合を示します。
来店率を求める計算式は次のとおりです。
来店率を求める際に必要な来店客数と店舗前通行量は、来店客数カウンターを用いることで正確に計測できます。
人流データなら出店前の出店地分析として店舗前通行量の調査、来訪元の分析などが可能です。
来店率アップに効果的な施策3選
来店率アップには、優れた商品やサービスの提供に加えて顧客が来店したいと思えるような対策が必要です。
ここでは、来店率アップに効果的な施策を3つ解説します。
- キャンペーン施策
- プロモーション施策
- VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)
キャンペーン施策
来店率を上げるには、来店客にとってメリットのあるキャンペーンを実施することが効果的です。
キャンペーンによって顧客が来店する際の心理的な障壁をなくし、リピーターや新規顧客層の獲得につなげられます。
【キャンペーンの例】
- 新規顧客向けの特別キャンペーン(一部割引、特定金額の割引)
- 期間限定・数量限定のキャンペーン(初回の数名へのプレゼント、数量限定の商品販売)
- 定期的なセールや割引(商品・サービスをお得に販売)
- ポイントアップキャンペーン(特定商品を購入した顧客へ追加ポイントを付与)
- 新商品やサービスの体験キャンペーン(新製品のサンプルやサービス体験機会の提供)
- SNS活用キャンペーン(SNSに投稿したユーザへプレゼント進呈)
キャンペーンは店頭のボードや装飾を掲載するだけでなく、店舗専用アプリを通じてクーポンを提供する、会員ユーザ向けにメッセージを送付するなどの方法で告知可能です。
小売店に限らず、飲食店であれば期間限定メニューを作ることでも顧客の反響を高められる可能性があります。
また、キャンペーンの一環としてプレゼントを提供することも効果的です。文房具や台所グッズ・生活雑貨といった日常生活で頻繁に使用できるアイテムは、多くの顧客から喜ばれるでしょう。
プロモーション施策
休日やバーゲン時期の前にキャンペーンを実施する場合、事前にプロモーションをおこなうことで来店率を上げられます。
【プロモーション施策の例】
- SNSやメールマガジンでキャンペーンの告知をする
- 店舗のディスプレイを用いてキャンペーンの情報を配信する
SNSには、LINE公式アカウントやInstagram、X(旧Twitter)などさまざまな媒体が存在するため、自店舗のターゲットに適したツールを運用するのがおすすめです。
通行人が店舗前を通るときに、キャンペーン情報をキャッチできるようなプロモーションも効果的です。店舗の外観にキャンペーン情報を掲示すると、通行人の視線を引きつけて来店のきっかけを作れます。
VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)
先の2施策とは毛色が異なりますが、VMD(Visual Merchandising(ビジュアル・マーチャンダイジング))も、有効な来店率改善の施策の一つです。
VMDは「Visual Merchandising(ビジュアル・マーチャンダイジング)」の略語で、ビジュアル(視覚)に訴えかける販売戦略を指します。アパレル業界で多くの会社が導入しており、マネキンのコーディネートなどの展開にいたるまでの過程を計画することがVMDです。
ディスプレイ広告も、視覚的な訴求手段の一つとしてVMDに分類されます。VMDの成功には、欠かせない3つの要素があります。
VP(ビジュアルプレゼンテーション)
VPは、店頭に配置された大型のディスプレイや主力商品などを指します。顧客を店舗の中に誘導することが主な目的です。店舗全体のコンセプトとブランドイメージを視覚的に表現して、顧客が「中に入りたい」と感じる雰囲気をつく創り上げます。
PP(ポイント・オブ・セールス・プレゼンテーション/ポイント・プレゼンテーション)
PPは入店した顧客にむけたプレゼンテーションです。顧客に商品を手にとってもらうために重要な役割を果たします。商品を店舗の各コーナーの「顔」となるように配置して、魅力を最大限に引き出します。
IP(アイテムプレゼンテーション)
IPには、商品を分類・整理して、見やすく手に取りやすいレイアウトを作るための陳列をおこなうことで、顧客のに足を止めさせる目的があります。
3つの要素を組み合わせることで商品を効果的に顧客に訴えかけ、店舗全体の魅力を引き立てます。
来店率を高めるためにはWeb集客も視野に入れよう
現代はインターネットが一般に普及し、店舗や商品の検索、サービスの評価といった情報を手軽に得られる時代です。自店舗の認知度を高めて来店率を上げるには、Webを活用した集客方法も取り入れる必要があります。
ここでは効果的なWeb集客方法の「O2O」と「オムニチャネル」を解説します。
O2O
「O2O」とは「Online to Offline」の略で、オンラインからオフラインの店舗へ顧客を誘導する施策です。オンラインとオフラインの境をなくし、一貫して考えることがO2Oの特徴です。
以下に、O2Oの具体的な例を紹介します。
クーポンの配布
オンライン(ウェブサイトやメール、SNSなど)でクーポンを配布し、実店舗での利用を促す。
オンライン予約
オンラインで商品やサービスの予約に対応し、実店舗で提供する。
位置情報を活用したサービス
スマートフォンのGPS機能を利用して、近隣店舗の情報やクーポンを提供する。
オンラインレビューサイトの活用
オンラインの口コミサイトや評価を利用して、店舗の評判を上げて見込み客の来店を促す。
ポイントカードシステムの統合
事前登録後の来店により、ECサイト利用者が店舗で購入した際に同ポイントを付与する。
オムニチャネル
「オムニチャネル」とは、すべてのチャネル(店舗・ホームページ・ECサイト・ブログ・SNSなど)を連携させて、顧客との接点を増やし、一貫した販売・サービス体験を提供する戦略のことを指します。
以下に、オムニチャネルの具体的な例をいくつか紹介します。
店舗とオンラインの在庫共有
商品の在庫を店舗とオンラインでリアルタイムに共有できるシステムで、顧客が求める商品を時間や場所にかかわらず購入可能にする。
店頭受け取り
顧客がオンラインで購入した商品を店舗で受け取れるようにして送料を節約させ、店頭での追加購入を促す。
店舗でのオンライン注文
店舗でのオンライン注文を可能にして、商品を自宅に配送する。店舗にない商品やサイズも購入可能にする。
オンラインとオフラインの顧客データ統合
オンラインと店舗での購入履歴を統合して、パーソナライズされたマーケティングをおこなう。
まとめ:来店率を上げるには施策やWebの活用が必須
- 来店率は小売店の重要なKPIの1つ
- 来店率を上げるにはキャンペーン施策、プロモーション施策、VMDが効果的
- Web集客の活用も視野に入れる
売上向上の一環として、来店客の増加は欠かせません。店舗の来店率を上げるには、キャンペーンやプロモーションなどの取り組みやすい施策から始めましょう。
現代ではインターネットが一般的になり、Webを通じた集客方法もまた重要性を増しています。O2Oやオムニチャネルといった方法を活用すれば、店舗への来店率を上げられます。また、効果的な施策を実施することで、来店率アップだけでなく顧客のリピートを促し、来店回数・頻度の向上も期待できるでしょう。
施策を継続的に改善・実施していくことが成功の鍵となります。