スーパーマーケットの客数を増やす方法とは?客数に影響する5要素を解説

店舗運営 / 集客 , 販売促進
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スーパーマーケットの経営に関わる中で「前年度よりも客数が減ってしまったので、どうにかして顧客を呼び込みたい」と考えている方や「競合が近隣に増え、自店舗の客数が減っているが、増やす方法がわからない」と悩んでいる方は、多いのではないでしょうか。

顧客タイプ別の特徴や、店舗運営で意識したい客数に影響する要素を理解すると、効果的に客数を増やす販促施策が組み立てやすくなります。

今回は、スーパーマーケットの客数を増やす上で重要な3つの顧客タイプや、客数に影響する5つの要素、客数を増やす具体的なステップを解説します。

客数を増やして売上を伸ばしたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

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スーパーマーケットの客数を増やす上で重要な3種類の顧客タイプ

スーパーマーケットの客数を増やす上で大切なのは、3つの顧客タイプを理解することです。

  • 新規顧客:商品の購入やサービスの利用が一度もない顧客
  • 既存顧客:商品の購入やサービスの利用経験がある顧客
  • 離反顧客:過去に購入履歴はあるが、しばらく来店や商品の購入がない顧客

客数を増やすには、初めて店舗を利用する新規顧客だけでなく、継続的に店舗を利用する”リピート客”を増やす取り組みも欠かせません。

新規顧客と既存顧客は、企業にとって異なる性質を持ちます。
新規顧客は新しい市場を開拓する上で欠かせませんが、獲得コストが高い傾向にあります。一方、既存顧客は企業の経営状況を長期的に安定させる上で重要な存在であり、新規顧客と比較して獲得コストは低いです。

いずれも店舗の客数を増やす上で重要な役割を果たすため、それぞれの特徴を理解した上でマーケティングに取り組みましょう。

離反顧客への取り組みも客数の増加につながる

新規顧客や既存顧客をリピーターとして定着させるのはもちろん、客数を増やすには、離反顧客に対する取り組みも重要です。DMやアプリ配信などで接点を増やしたり、チラシやクーポンを配布したりと、離反顧客を戻すための販促施策はいろいろあります。

しかし、離反顧客が店舗から離れる理由は、店舗や商品・サービスへの不満だけでなく、顧客自身の事情などさまざまです。まずは離反の原因を分析して、改善するべき問題を精査しましょう。

また、離反傾向の顧客を引き留めるには、素早い対策が求められます。離反の発生にいち早く気付けるように、日ごろから定期的に分析をおこない、顧客の状況を把握しましょう。

スーパーマーケットの客数に影響する5つの要素


スーパーマーケットの客数に影響を与える要素は、以下の5つです。

  • 購入しやすい商品価格
  • 商品の入手しやすさ
  • 大衆品と実用品の充実度
  • 顧客の日常をより良くする商品の提供
  • 安心安全で高品質な商品の提供

現状の戦略に追加できる要素があれば、ぜひ実践してみてください。

客数に影響する要素1:購入しやすい商品価格

スーパーマーケットにおいて、顧客が購入を決める大きな理由が商品価格です。
顧客に買いやすい価格だと感じさせるには、効果や利益などの商品価値が、価格からイメージする期待値を上回る必要があります。
価格と商品価値のバランスが取れていると、顧客は商品を購入しやすく感じます。また、「適正価格で良い商品を提供している店」という印象も与えられるため、スーパーマーケットの客数増加につながるでしょう。

一時的な価格低下は「買いやすさ」を継続しない

顧客のために商品の値下げをする場合もありますが、一時的な価格低下はおすすめできません。

なぜなら、期間限定の「買いやすさ」効果は、長続きしないからです。

もちろん、集客目的や顧客離れの対策などでセールを実施する戦略もあります。しかし、基本的には値下げに頼るのではなく、商品価値とのバランスが取れる価格設定を心がけましょう。

客数に影響する要素2:商品の入手しやすさ

「商品の入手しやすさ」は、スーパーマーケットの客数に関わる重要な要素です。

品ぞろえが頻繁に変わって目的の商品を探しにくい、陳列が見にくく買い物に時間がかかるなど、商品を入手しにくい状態では、商品価値が高くても継続的な購入は見込めません。不便さを感じた顧客は再来店する可能性が低くなり、顧客離れの原因になります。

商品を入手しやすいと感じてもらうポイントは、顧客が便利だと感じる購買体験の提供です。いつ来店しても同じような価格で同じ商品を購入できる、探しやすい売り場で時間をかけずに買い物ができるなどの工夫を心がけましょう。

客数に影響する要素3:大衆品と実用品の充実度

スーパーマーケットの客数を増やすには「大衆品と実用品の充実度」を高めることも欠かせません。

  • 大衆品:広い層の顧客に支持される商品
  • 実用品:日常生活で頻繁に使用される必需品

なぜ大衆品と実用品で売り場を満たすべきかというと、ターゲットを絞らず、さまざまな層の顧客に商品を購入してもらう方が、客数と売上を増加しやすいためです。

また、商品の大量仕入は価格交渉して原価が下がる分、利益率が高くなる利点もあります。

客数に影響する要素4:顧客の日常をより良くする商品の提供

スーパーマーケットの客数を増やすには「顧客の日常をより良くする商品」を提供することも大切です。

日常生活に必要で便利な商品を提供すると、多くの顧客が「この店舗を利用すれば、自分の日常がさらに豊かで良いものになる」と期待できるでしょう。その結果「この店舗を利用したい」と感じる顧客が増え、客数の増加につながります。

スーパーマーケットにおいて顧客が必要としている商品は何か、生活の快適さを高められる商品は何かを常に分析し、店舗経営に反映させてください。

客数に影響する要素5:安心安全で高品質な商品の提供

スーパーマーケットで提供する商品の価値は、顧客が安心して購入できるか、おいしいかといった質の高さに影響されます。

以前は調理場の衛生管理や空調制御について不安視されていたこともあるようです。しかし、近年ではプロセスセンターにおける調理と加工の仕組みを導入し、品質維持に取り組んでいる大手チェーンのスーパーマーケットも増えています。

このような取り組みは、鮮度が高くおいしい商品を求める顧客の信頼が高まり、その結果として客数増加につながるでしょう。

スーパーマーケットの客数を増やす3ステップ

スーパーマーケットの客数を増やすには、以下の3ステップで戦略を立てましょう。

  1. 自店舗が抱える問題を分解する
  2. ターゲットを選定する
  3. 仮説検証をおこないながら施策を考える

手順ごとに詳しく解説します。

客数を増やすためのステップ1:自店舗が抱える問題を分解する

スーパーマーケットの客数減少を食い止めるための対策を考えるとき、「客数が減っている」という漠然とした問題をそのまま扱うと、具体的な施策を立てづらくなります。

まずは、問題を細分化して具体的な課題を見つけましょう。「どの時間帯に客数が減少しているのか」「どの地域からの客数が減っているのか」などの詳細なデータをもとに問題を分析していきます。

このときに顧客分析や商圏分析を活用すると、客数の減少につながる根本的な原因を発見しやすいです。客数減少の原因には、店舗内外のさまざまな要因が考えられるため、多角的な視点による分析が求められます。

客数を増やすためのステップ2:ターゲットを選定する

店舗の問題が明確になると「どのターゲット層にアプローチすれば解決できるか」を定めやすくなります。

自店舗の売上アップに貢献しているターゲット層をペルソナ化し、客数の増加施策を立てる際の判断材料とするのも方法の一つです。

ターゲットを選定するときには、来店頻度、年齢層、利用目的など、さまざまな要素を考慮しましょう。例えば、特定の時間帯に来店する頻度が高い顧客タイプや、特定の商品をよく購入する年齢層などをターゲットとすることで、より的確なマーケティング施策を展開できます。

客数を増やすためのステップ3:仮説検証をおこないながら施策を考える

解決すべき問題やアプローチするターゲット層が定まったら、客数を増やすための具体的な施策を考えましょう。

施策の例として、以下の方法が挙げられます。

  • 特定の時間帯や曜日に商品の割引キャンペーンを実施する
  • ポイントカードを導入し、一定金額以上の購入でポイント付与する仕組みを作る
  • 地元のニーズに応じたイベントやワークショップを開催する

施策を立案する際には、顧客や地域、競合などのデータをもとにした分析をおこない、仮説を立てて、目標を設定したうえで実行しましょう。

施策を実行した後には、効果の検証が欠かせません。上記の例でいうと、キャンペーンの反応率や会員カードの登録者数、イベントの参加者数などをもとに効果を測定します。

施策が期待した成果につながらなかった、あるいは問題が改善されなかった場合は、その原因を突き止め、次回以降の施策改善に生かしましょう。

まとめ:スーパーマーケットの客数は5つの要素を意識して増やそう!

  • スーパーマーケットの顧客は「新規顧客・既存顧客・離反顧客」で構成される
  • 客数に影響する5つの要素を意識することで、客数アップを狙える
  • 客数を増やすには現状の理解とターゲット選定、仮説検証が欠かせない

スーパーマーケットの客数を増やすためには、新規顧客だけでなく、既存顧客を増やして離反顧客を減らすことが大切です。

客数に影響を与える要素には、以下の5つがあります。

  • 商品価格
  • 入手しやすさ
  • 大衆品と実用品の充実度
  • 日常の快適さにつながる商品の提供
  • 安心安全で高品質な商品の提供
  • これらの要素を意識して店舗マーケティングをおこなえば、客数の増加が期待できるでしょう。

    また、客数を増やすための施策を成功させるには、まず自店舗が抱える問題を理解した上でアプローチすべきターゲットを決め、施策を実行することが欠かせません。施策の実行後には必ず振り返りをおこない、次回以降の施策でさらなる客数増加を目指せるように取り組みましょう。

    客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

    タグ : 客数 新規顧客 既存顧客 集客 顧客分析
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