ターゲットニーズが飲食店の集客方法を選ぶ鍵!4ステップの選び方を解説

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新規顧客や既存顧客の来店を促す「集客」は、飲食店の経営を成功させる重要な課題の一つです。しかし、集客方法の種類は多く、かかるコストにも幅があるため「どの方法を用いれば効果があるのか判断できない」という方も多いのではないでしょうか。

飲食店のマーケティングで集客方法を選ぶ際、鍵となるのはターゲットニーズです。
自店舗の顧客データを分析し、ターゲットとニーズを正確に把握できれば、おのずと適切な集客方法を選択でき、売上アップを目指せるでしょう。

本記事では、飲食店が集客方法を決める際のポイントや選び方、具体例、顧客データの分析方法などを紹介します。集客のアイデアが欲しい方、具体的な集客方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

飲食店の集客方法を決める際の3つのポイント

飲食店の集客方法を決める際、ポイントとなるのは次の3点です。

  • 市場の動向を把握する
  • 自店舗のターゲットを明確にする
  • ターゲットのニーズに合う集客方法を選ぶ

ここでは、各ポイントについて詳しく解説します。

飲食店の集客方法を決めるポイントその1:市場全体の動向を把握する

集客方法を決める際には、以下のような市場全体の動向を把握しましょう。

  • 市場のトレンド
  • 顧客のニーズ
  • 競合となる飲食店の戦略 など

市場全体の動向を調査することで飲食業界の現状を知り、適切な集客方法を選ぶための手がかりを得られます。食に対する顧客のニーズは日々目まぐるしく変化するため、市場全体の動向をつかみ、施策に反映させることが大切です。

市場の傾向を分析して顧客のニーズに合った店舗作りをおこなうことで、顧客満足度が上がり、リピーターの獲得につながるでしょう。

飲食店の集客方法を決めるポイントその2:自店舗のターゲットを明確にする

自店舗のターゲットを明確にすることも、集客方法を決定する上で重要です。市場でニーズがあるとしても、自店舗のコンセプトや客層にそぐわない集客施策では、効果が期待できないためです。

流行や市場の動向に合わせることで、自店舗のターゲットとしていない客層を取り込めたとしても、売上に対する効果は一時的なものに過ぎません。顧客を継続的に獲得するには、長期に店舗を利用してくれる既存顧客・いわゆる「ファン」を作ることが大切です。

まずは現時点での店舗のコンセプトにマッチする客層を明確化しましょう。

飲食店の集客方法を決めるポイントその3:ターゲットのニーズに合う集客方法を選ぶ

効果的な集客方法を決めるには、ターゲットのニーズに合った方法を選ぶことも欠かせません。

集客方法には、SNSやWebサイトを利用したオンラインの施策と、ポスティングなどオフラインの施策があります。しかし予算と労力の面から、全ての施策をおこなうのは難しいでしょう。

自店舗にとって適切な方法を選び、効果的に集客するには、顧客のデータ分析が重要です。顧客データを分析してターゲットのニーズを把握すれば、効率の良い集客方法を選びやすくなるでしょう。

飲食店で効果を期待できる集客方法の例13選

飲食店の集客方法は、大きく分けてオフライン施策とオンライン施策の2つです。さらにその中で、さまざまな種類の集客施策があります。

ここでは、飲食店で集客効果が期待できる13種類の方法について、例を挙げて紹介します。

【オフライン施策の例】

ポスティング
  • 紙のチラシを各家庭のポストに配布する集客方法
  • 普段来店しない顧客にも、メニューのイメージを画像で伝えられる
  • クーポンをつけて使用状況を記録することで、広告効果の測定も可能
  • インターネットになじんでいないシニア層にもアプローチしやすい
ダイレクトメール(DM)
  • 個人や法人に広告宣伝用の印刷物を郵送する方法
  • 既存顧客に直接広告を届けられる
  • 注文販売用のパンフレットなどを同封できる
  • 顧客の住所を収集するための取り組み(会員登録、アンケート回答など)が必要
ポイントカード制度
  • 利用額や利用方法に応じたポイントが貯まるカードを発行する制度
  • 貯まったポイントに特典をつけることで継続利用の価値を高める
  • 購買履歴と顧客情報を紐付ける効果も期待できる
コンセプトを意識した店内デザイン
  • コンセプトを意識したデザインを店内に施す方法
  • 顧客に好印象を与え、リピート率や顧客満足度を高める効果が期待できる
季節を感じられる限定のメニュー展開
  • 季節感のある限定メニューを販売する方法
  • 季節的なニーズを満たすことで、集客効果が期待できる
期間限定のイベント開催
  • 期間限定のイベントを開催して、顧客に新しい体験を提供する集客方法
  • 顧客の好奇心を刺激し、来店のきっかけにできる
  • 短期間でのリピート率向上が見込める
テイクアウト
  • 持ち帰り商品を販売する方法
  • 店内での飲食が難しい顧客にアプローチできる
  • イートインの顧客とは別のターゲットを狙える場合もある
他企業とのコラボレーション
  • 他企業とコラボレーションし、イベントや限定メニューの提供をおこなう方法
  • 話題性によって顧客の来店意欲を高められる
  • 成功すれば、相手企業の顧客も取り込める

【オフライン施策の例】

Googleビジネスプロフィールへの登録
  • GoogleマップやGoogleサービスに表示される内容を管理する方法
  • ネット検索で店舗を探す潜在顧客の信頼性を高められる
ポータルサイトへの登録
  • 飲食店を掲載しているグルメ系のポータルサイトに登録する方法
  • サイトの知名度を利用した宣伝ができる
  • ポータルサイトを通して予約の受付もできるため、顧客の利便性を高められる
  • 口コミによる認知拡大や購買意欲アップが期待できる
ホームページ作成・運用
  • 公式ホームページを作成して運用する集客方法
  • キャンペーンや新メニューの告知、店舗のコンセプト、メッセージなどを発信できる
  • 他店舗との差別化ポイントをアピールできる
  • 自社で管理するホームページであるため、掲載できる情報の自由度が高い
SNS運用
  • SNSを運用して自店舗を宣伝する方法
  • 自由度の高い情報発信をおこなえる
  • リアルタイムの発信を通じた交流や反応から、潜在顧客のニーズを把握できる
  • 顧客との接触機会を増やすことでファン化を狙える
デリバリーサービス
  • 販売している飲食物を、各家庭やオフィスなどに配達するサービス
  • 店舗に足を運ぶことが困難・面倒と感じている顧客にアプローチできる

飲食店の集客方法は4ステップで選ぼう


ターゲットニーズに応えて自店舗の集客効果を上げるには、この4ステップに従って集客方法を選びましょう。

  • 自店舗のターゲットを明確にする
  • 自店舗の顧客層を分析する
  • 分析結果をもとに集客方法を検討する
  • 施策を実行し、必要に応じて改善する

ここでは、集客方法の選び方とともに、活用できるデータと分析手法を解説します。

飲食店における集客方法の選び方ステップ1:自店舗のターゲットを明確にする

集客方法を選ぶには、まず自店舗のターゲットを明確にする必要があります。自店舗のターゲットを明確に定めることで、顧客満足度を高め、売上の増加に結びつく集客施策をおこなえるためです。

ターゲットが曖昧なままで集客方法を選んで実行しても、費用や労力に見合った効果が表れない可能性もあります。自店舗のターゲットをはっきりさせると、選ぶべき集客方法を絞りやすくなるでしょう。

飲食店における集客方法の選び方ステップ2:自店舗の顧客層を分析する

集客方法を選ぶ前に、明確にしたターゲットと現在の客層がマッチしているか、データ分析をして確かめましょう。データ分析の結果、ターゲットと実際に来店している客層とのずれが大きい場合は、ターゲットの選定や集客施策の方向性について再検討する必要があります。

ここで、自店舗の顧客を分析する際に活用できるデータの種類と分析手法を紹介します。

顧客層の分析に活用できるデータの種類

顧客分析に活用できるデータは、大きく4種類に分けられます。

  • 顧客属性データ:年齢、性別、居住エリア など
  • 来店に関するデータ:頻度、日時、来店人数 など
  • 購入および利用データ:注文したメニューや金額、客単価、滞在時間、売れ筋のメニュー など
  • 顧客の声:感想や提案、クレーム など

顧客層の分析に活用できるデータ分析の手法

顧客の分析に活用できるデータ分析の手法は、下表のとおりです。

RFM分析

顧客をグループ分けする分析方法です。
グループ分けの指標には

  • Recency(最終購入日)
  • Frequency(購入頻度)
  • Monetary(購入金額)

の3つを用います。スコアによって、顧客を「優良顧客」「休眠顧客」などの層に分けます。

デシル分析 顧客を購入金額の高い順に10ランクに分ける分析方法です。グループごとの売上貢献比率を算出し、売上貢献度の高いグループを見つけられます。
セグメンテーション分析 ニーズや属性の似ている顧客をグループ分けして分析する方法です。顧客のニーズを把握する上で役立ちます。
コホート分析 顧客を同じ条件や属性でグループ(コホート)分けし、時間の経過によって行動がどう変化するかを分析する方法です。サービスの継続について判断するときに役立ちます。
行動トレンド分析 購入時期と購入層に着目して購買率や特徴を分析する方法です。広告のタイミングを決める際に活用できます。

飲食店における集客方法の選び方ステップ3:分析結果をもとに集客方法を検討する

データを分析して顧客の実態を把握できたら、それをもとに集客方法を選びましょう。自店舗のターゲット層となる顧客を、来店を増やしたい客層と維持したい客層に分け、それぞれの状況に合った集客方法を検討することが大切です。

例えば、新規顧客の獲得を目指して自店舗の知名度を上げるために適している集客方法は、ポスティングやSNSの運用などでしょう。一方、既存顧客のリピート率を高めたい場合は、以下に挙げた集客方法が有効です。

  • ポイントカード制度
  • 季節を感じられる限定のメニュー展開
  • 他企業とのコラボレーション など

飲食店における集客方法の選び方ステップ4:施策を実行し、必要に応じて改善する

ターゲット層に適した集客方法を検討し、具体的な施策内容が決まったら、実行に移しましょう。
同時に顧客データを収集することで、施策の集客効果を測定できます。測定結果を踏まえ、必要に応じて施策を改善することも大切です。

飲食店における集客方法の選び方の例

最後に、個人経営のカフェを例に、集客方法の選び方を解説します。

この店舗は地域密着型で、健康志向の料理やスイーツを販売しています。店舗の注文メニューや座席稼働率をデータ化して行動トレンド分析をおこなったところ、次のとおりとなりました。

  • 平日の午前中は30〜40代女性が多く、座席稼働率は80%
  • 平日の午後は来店数が減り、座席稼働率が30%以下
  • 土日は家族連れの来店はあるものの、平均客単価は低い
  • ヘルシーメニューが全注文の40%を占めていて、人気がある

上の結果をもとに、この店舗では売上を増やすために、下のポイントを押さえた集客施策をおこなうと仮定します。

  • 平日午後の集客強化施策
  • 土日の客単価を増やすための集客強化施策
  • 新規顧客の獲得および既存顧客のリピートを増やす施策 など

集客施策の目的・それぞれのターゲット・具体例などを、表にまとめました。

目的 ターゲット例 施策の具体例 見込める効果
平日午後の集客強化 シニア層
  • 健康志向のスイーツセットの提供
  • まとめ買いでお得になるコーヒーチケットの販売
  • シニア層の健康志向にアプローチできる
  • シニア層の利用を増やし、リピーター化させる
土日の集客強化 家族連れ
  • 子ども向けメニューの新設
  • SNS連動型の親子イベントを開催
  • 子ども向けメニューで客単価を上げる
  • ママ友コミュニティやSNSでの拡散で興味関心を高める
新規顧客の獲得・既存顧客のリピート増加 新規/既存顧客
  • 平日午後限定のレディースタイムを実施
  • 写真映えするヘルシースイーツの提供 など
  • 女性客の来店数を増やしリピーター化させる
  • SNS拡散による新規顧客の獲得 など

まとめ:飲食店の状況を明確にして適切な集客方法を選択しよう

  • 集客方法を選ぶには、市場全体の状況を把握して自店舗のターゲットを明確にすること
  • ニーズの把握やターゲットの選定にはデータ分析を活用する
  • 分析したデータを基に適切な集客方法を選ぶ

飲食店で集客方法を選択する際には、市場全体の状況を把握した上で、自店舗のターゲットを明確にすることが大切です。

ターゲットを選び、ニーズを知るためにはデータ分析を活用しましょう。データの分析方法には、3つの指標で顧客を分類するRFM分析、購入金額の高い順から10等分するデシル分析、客層と購入時期に着目して顧客の行動を分析する行動トレンド分析などがあります。

分析結果を基に適切な集客方法を選択することで、効果的に売上アップを目指せます。

オフラインはポスティング、オンラインの場合はポータルサイトへの登録など、さまざまな集客方法があるので、自店舗のターゲット層に合う施策を選びましょう。

飲食店の集客で悩んでいる方はまず、顧客の属性を把握するために、データの収集や分類からはじめてみてはいかがでしょうか。自社の顧客属性を明確にした上で集客方法を選べば、高い集客効果が期待できるでしょう。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

タグ : 分析手法 販売促進 集客 集客施策 飲食店
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