飲食店でよく使う販促6選!データ分析の結果を活用した販促例も解説

店舗運営 / 集客 , 販売促進
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飲食店の売上が伸び悩んでいる場合、販促施策を実施することが売上改善の鍵です。しかし、効果的な販促施策を選べない方も多いのではないでしょうか。

売上アップを目指して自店舗に合った販促施策をおこなうには、顧客データ分析と商圏分析でターゲット層やエリアを絞り込む必要があります。分析データから自店舗の商圏や客層のニーズを見つけることで、効果的な販促施策を選びやすくなるでしょう。

本記事では、飲食店の売上アップにつながる販促施策や、販促における分析データの重要性などを解説します。分析データを活用した販促例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

飲食店の売上アップには効果的な販促が欠かせない

飲食店の売上を上げるには、効果的な販促をおこない、新規顧客やリピーターを増やす必要があります。「販促」とは、自店舗のメニューやサービスを幅広く認知してもらい販売を促すことを目的とした、マーケティング活動のひとつです。

顧客のニーズに合うメニューを提供して売上アップを狙うには、効果的な販促が欠かせません。自店舗に合う販促を選ぶために重要なことは何かを、次で解説します。

適切な販促施策を選ぶには自店舗や商圏のデータ分析が重要

適切な販促施策を選ぶには、自店舗や商圏のデータ分析が重要です。それぞれの分析結果から、以下のような情報を把握できます。

自店舗の分析 商圏の分析
  • 現状の顧客ニーズ
  • 売上の中心となる客層
  • 顧客の来店頻度 など
  • 自店舗周辺の市場傾向
  • 顧客の嗜好
  • 顧客層のエリア分布 など

分析によってこれらの情報を把握せず、直感や肌感で販促施策を選択した場合、以下のようなリスクがあるので注意しましょう。

  • 販促費用をかけても集客につながらず、売上が伸びない
  • 商圏の競合他社との差別化が困難になる
  • 顧客ニーズとのズレにより、在庫の過不足が発生する など

提供したいメニューと顧客・商圏を絞って、費用対効果の高い販促施策を選択できるよう、顧客データや商圏データの分析結果を販促活動に生かしましょう。

飲食店で使われるオフラインの販促施策4選

ここでは、飲食店で使われるオフラインの販促施策を4つ選んで紹介します。それぞれの特徴やポイントを押さえて、施策を選択する際の参考にしてください。

飲食店で使われるオフラインの販促施策1:ビラ配り

「ビラ配り」は、主に新規顧客を集客する際に役立つ販促方法です。人の往来が多いエリアにビラを配布することで、自店舗のターゲット層に向けた直接的なアピールが可能です。

《活用する際のポイント》

  • 顧客データから自店舗の顧客層を把握しておく
  • 商圏分析をおこない、ターゲット層が多く往来するエリアと時間帯を選定する
  • ビラに掲載できる情報量は少ないため、デザインや掲載内容を工夫する

ただし、ビラ配りをおこなう際は、管轄の警察署に「道路使用許可」を申請する必要があります。自治体によって許可の基準が異なるので、事前に確認しておきましょう。
また、地域住民に好感を持ってもらえるように、笑顔で明るくおこなうよう心がけましょう。

飲食店で使われるオフラインの販促施策2:ポスティング

「ポスティング」は、郵便受けにチラシやクーポン券などの販促物を直接投函する販促方法です。
新規顧客の集客に役立ち、新聞を取っていないファミリー層や一人暮らしの学生、会社員などに対する販促として有効です。配布エリアを選定しておけば、戸建てからマンションまでさまざまな世帯に投函できます。

《活用する際のポイント》

  • 商圏分析で、ターゲット層の分布エリアをあらかじめ洗い出しておく
  • ターゲットエリアに合わせた配布物を準備する(チラシ、割引券、クーポンなど)

ただし、ポスティングした住民が、必ず販促物を見ているとは限りません。新規顧客を獲得するには、配布エリアの選定とパターンを変えながら、継続してポスティングをおこないましょう。

飲食店で使われるオフラインの販促施策3:DM

「DM(ダイレクトメール)」は、以前アンケートに回答している、会員登録が済んでいるといった顧客に、郵便物でキャンペーンや新メニューなどの告知をおこない、再来店を促す販促方法です。リピート集客に効果が期待できます。

季節のイベントや誕生日などに合わせたDMを送り、休眠顧客の興味を引いてリピート集客を成功させましょう。

《活用する際のポイント》

  • はがき、カタログなど情報量に応じた送付物を届ける
  • 会員リスト、アンケートといった顧客データを活用する
  • 購買パターンや購入時期を把握し、ターゲットにマッチした内容を作成する

飲食店で使われるオフラインの販促施策4:会員制度の活用

「会員制度の活用」とは、自店舗の会員となった顧客が登録した詳細情報を活用する販促方法です。会員制度で得た顧客データは、分析してリピート集客と顧客の離脱防止に役立てられます。

《会員制度を活用したオフライン施策例》

ポイントカードの発行
  • カードを発行して、一定金額の購入ごとにポイントを付与する
  • ポイントは割引や特典との交換などに活用できるようにして、顧客にお得感を持ってもらう
  • ポイントに期限を設け、失効前に来店してもらえるようにする
  • 誕生日などにポイントを贈呈して、購買意欲を刺激する
  • ニュースレターの送付
  • 会員制度で取得した情報から、ターゲットの興味や関心を引く内容の記事を送付する
  • クーポンや割引券を添付し、ニュースレターの内容と紐づけて来店を促す
  • 飲食店で使われるオンラインの販促施策2選

    この章では、飲食店で使えるオンラインの販促施策を2つ紹介します。特徴の他にポイントなども解説しますので、施策を選択する際の参考にしてください。

    飲食店で使われるオンラインの販促施策1:ポータルサイトへの登録

    さまざまな店舗を網羅した飲食店ポータルサイト(グルメサイト)は、自分の好みに合う飲食店を探す顧客が多く利用するため、自店舗を登録しておくと新規顧客の集客に役立ちます。
    無料のポータルサイトもあるので、販促費用を抑えて手軽に登録できることもメリットです。

    《活用する際のポイント》

    • ポータルサイトを閲覧した新規顧客の来店を増やすために、よい口コミを書いてもらえるような工夫をする
    • 店舗で提供しているメニューなどと差異が生じないよう、記載内容に気をつける
    • 多くの店舗が登録されているので、ユーザが目移りしないよう画像やクーポンなど魅力を感じる内容を充実させておく

    飲食店で使われるオンラインの販促施策2:SNS運用

    SNSによる販促のメリットは、無料で運用できるため、販促費用を抑えられることや、多くの人々が利用する媒体に投稿できることなどです。

    SNSには多くの情報が溢れているため、投稿内容は慎重に選び、正しい情報を発信する必要があります。競合や他の情報に埋もれてしまわないよう、投稿内容・頻度・広告画像のデザインなどを工夫しましょう。

    《活用する際のポイント》

    • ターゲットに合ったSNS媒体を使用する
    • 顧客との接触機会を増やし、ファン化を促す投稿をおこなう
    • SNS特有のキャンペーンやお得情報なども発信し、顧客の関心を高める

    データ分析を活用した飲食店の販促例

    最後に、顧客データの分析結果と商圏分析の結果を活用した飲食店の販促例を2つ紹介します。実践する際の参考にしてください。例に挙げる飲食店の業態はそれぞれ違いますが、どちらも流れは次のとおりです。

    1. 飲食店の業態
    2. その飲食店が顧客データを分析する目的
    3. 選択した分析方法と分析結果(表)
    4. 分析結果に基づいた販促施策の選択
    5. 具体的な販促の実行例

    データ分析を活用した飲食店の販促例1:顧客データ分析を用いたSNS運用

    はじめに紹介するのは、顧客データの分析結果に基づいた販促例です。

    《例とする飲食店の業態》

    • 若者や女性を中心に人気を集めるスイーツカフェ

    このカフェでは、長期間にわたって来店していない休眠顧客の再来店を促すために、顧客データを分析することにしました。選んだ分析手法と結果を表にまとめています。

    《顧客データ分析の概要》

    項目 内容
    分析手法 RFM分析でランク分けして、対象となる顧客を抽出する
    分析対象 過去半年間、来店していない顧客
    分類項目
    • 購買頻度(Frequency)
    • 購買金額(Monetary)
    • 最終来店日(Recency)
    分析結果
    • 休眠顧客が頻繁に来店していたのは、デザートメニューが充実していた時期である
    • 特定メニューの値上げが、来店頻度の減少要因である

    このカフェでは上の分析結果から、休眠顧客に直接リーチできる、SNSを活用した販促施策をおこなうことにしました。

    《販促施策の実行例》

    • 自店舗の公式InstagramとFacebookを利用して「期間限定デザート復活キャンペーン」を告知する
    • 過去の人気メニュー画像や動画を投稿する
    • 特定の休眠顧客層をターゲティングした広告を配信する
    • SNS経由で予約した顧客には、追加特典として「ドリンク一杯無料」のサービスを提供
    • オンライン上で顧客とのエンゲージメントを高めながら、再来店を促進させる

    データ分析の結果を活用した飲食店の販促例2:商圏分析の結果を生かしたポスティング

    次に紹介するのは、商圏分析の結果を踏まえた、ポスティングによる販促例です。

    《例とする飲食店の業態》

    • 郊外の住宅地にあるファミリーレストラン

    このファミリーレストランでは、自店舗に適した販促施策を選ぶために、徒歩10分圏内のエリアに着目して調査することにしました。

    《顧客データ分析の概要》

    項目 内容
    分析手法 人口動態分析と競合店分布の把握が可能な、GIS(地理情報システム)による商圏分析
    分析対象
    • 自店舗周辺の住民属性(家族構成・年齢層など)
    • 競合の集客動向
    分析結果
    • 周辺住民にはファミリー層が多い
    • 競合店は単身者向けの飲食店が中心で、家族向けのメニューを提供する店舗は少ないことが判明した
    • 地域掲示板や地域イベントの過去データから、地域住民のイベント参加率が高いことが確認できた

    商圏分析の結果を踏まえてこのファミリーレストランが立てた販促施策は、地域住民向けのイベント企画です。告知の手段として、ポスティングを選択しました。

    《販促施策の実行例》

    • 自店舗の公式InstagramとFacebookを利用して「期間限定デザート復活キャンペーン」を告知する
    • 企画したイベントは地域住民向けの「ファミリー感謝デー」
    • チラシには来店時に利用できる「キッズメニュー無料券」を添付
    • チラシのデザインに地元のゆるキャラや人気スポットなどを取り入れ、親しみやすさを演出

    まとめ:効果的な販促施策を選ぶにはデータ分析の結果を活用しよう

    • 飲食店における販促とは、メニューやサービスの認知度を高め、購買意欲を刺激して売上アップにつなげる施策のこと
    • 飲食店の売上アップには効果的な販促施策が欠かせない
    • 顧客データ分析と商圏分析をおこない、ターゲット層や商圏の状況を把握しよう

    販促施策で売上を上げるには、顧客データや商圏の分析が欠かせません。
    今回は、オフライン販促としてビラ配りやポスティング、オンラインのほうではSNS・ポータルサイト・ホームページを活用した施策を紹介しました。活用例を参考にしながら、ターゲットに合わせて、販促施策を使い分けてみてください。

    まずは自店舗の顧客データで顧客属性を調べ、販促施策を絞り込みましょう。また、ターゲット層の多いエリアを特定するためには、商圏分析をおこない、商圏を把握することをおすすめします。

    これらの分析結果を用いて販促施策を選べば、自店舗に合った施策で売上アップに貢献できるでしょう。

    客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

    タグ : 手法 販促 販売促進 飲食店
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