意欲を高める販売促進の目標設定とは?NGポイントと効果的な手順を解説
企業が集客のための販促をおこなう際は、「販促をすることでどんな効果を得たいのか」という目標設定が重要です。目標設定が曖昧か具体的かは、施策の費用対効果だけではなくスタッフのモチベーションにも大きな影響を与えるのです。
この記事では、販促の目標設定についてポイントやNG行動、具体的な目標設定の手順について解説します。
目次
販売促進の目標は曖昧になりがち
販売促進の効果は、具体的な数値に落とし込みにくいという特徴があります。
販売促進の目的は主に「購買の動機付け」。目指すところも「視認性の向上」「リピート率アップ」など、データとして分析しにくいカテゴリーになりがちです。
目標設定が曖昧になりやすいという問題は、すぐさま業績に影響を与えるものではありません。しかし、曖昧なままにしておくと販売促進の効率が低下する可能性があるのです。
ゴールが無いとモチベーション低下に繋がる
ゴールが無いと、モチベーションは維持しづらいですよね。
何かをしても成功体験や達成感がなければ、努力することに意味を見いだせなくなってしまうでしょう。
販売促進の目標設定は業績向上のためはもちろん、スタッフにやりがいや販促への意欲を与えて積極的に取り組んでもらうためにも欠かせないプロセスです。
改善点や課題が放置されることも
「何が達成されれば販促成功か」という目標が曖昧では、おこなっている施策が正しいか間違っているかが判断できません。たとえ間違った販促をおこなっていても「何が間違っているのか」「どうしたら改善できるのか」を分析できず、いつまでも効果の上がらない販促を続けてしまう恐れもあります。
販促目標を明確にするのは、販促の効率を高め費用対効果をアップさせるためにも大切なのです。
販促目標を決めるときの“ダメ“な目標
販促目標を決めようと思い立ったとき、設定してはいけない“ダメ“な目標がいくつかあります。“ダメ“な目標を設定してしまうと、効率アップのために目標設定をしたつもりが、効果の無い設定に沿って無意味な販促をおこない続ける羽目になりかねません。
ご紹介する“ダメ“な目標をチェックして、目標設定の際に活用しましょう。
目標値が高すぎる
販売促進の目標設定でおこないがちなNG行動は、経営状況などを考えずに「目標値を非常に高く設定すること」です。
企画の目標は大きい方が良いという考え方もありますが、あまりにも高すぎると成功するビジョンが全く見えない無鉄砲な計画になってしまいます。
どんなに頑張っても達成できない目標は、スタッフのモチベーション低下を招きます。
高い目標値は「将来的なゴール」として設定し、最終目標までの間に「頑張れば手が届きそうな範囲の目標」を段階的に設定することで、スタッフの意欲やモチベーションを継続させましょう。
目標を曖昧な表現にする
販売促進の目的は「新規顧客の開拓」や「リピート顧客の購買率アップ」などさまざまですが、どれも言葉にすると曖昧な印象になってしまいます。抽象的なまま目標として共有しても、スタッフは具体的に何をすればいいのかが理解できず、目標達成に繋がりません。
例えば「新規顧客を増やす」という目標を設定したいなら、
「会員カードの登録者数を前年比の115%にする」など具体的な数値で提示してみましょう。数値が明確であれば、スタッフは「来店客にカードを作るメリットを説明して登録数を増やせばいい」といった作戦を思い付き、目標達成までの具体的な施策を実行できるようになります。
また、目標数値を具体的に設定しておくと、現時点でどのくらい達成しているのか把握しやすくなります。
販促目標を設定する手順
それでは、具体的な販促目標の設定手順を見ていきましょう。
販促目標を設定するには、ただ「こうしたい」という希望だけを当てはめても意味がありません。まず自社の状況を把握し、販促で得たいことを明確にする必要があります。
正しい手順を学んで、自社の営業に効果をもたらす目標設定をおこないましょう。
手順1:現状を把握する
販促目標を決めるには、まず自社の現状を把握しましょう。事業規模や売上・競合店の影響度などを数値化して分析するのです。社内の業績や事業計画といった内的環境と、競合店・出店立地などの外的環境を併せて分析することで「何が足りなくて何を改善するべきなのか」が絞り込みやすくなります。
手順2:具体的な目的や対象を絞り込む
現状を把握したら「販促で何を得れば業績アップに繋がるのか」という方向性が見えてくるでしょう。
次は、その方向性に対して何をすればいいかを具体的にしていきましょう。
販売促進でできることは基本的に「新規顧客獲得」「リピート率アップ」「既存顧客の購買率アップ」の3つといわれています。どのカテゴリーに目標を定めるかを決め、さらに細かい設定を練っていきましょう。
どんな消費者、ターゲット層に対して商品を販売するのか、顧客の商品購入に繋げるにはどんな販促をおこなえばよいかを明確にして、計画の組み立てに進みます。
手順3:年単位と月単位の計画表を作成する
具体的な目標が決まったら、会計年度に合わせた年単位と月単位の計画表をそれぞれ作成しましょう。
例えば年間計画で「ECサイト利用率を昨年比120%にする」という目標を設定した場合、年間目標を達成できるように「1~3月はSNSでスプリングセールに向けた販促をおこなう」「売上が低下する8月前後はネット限定の割引券を配布する」など月ごとに具体的な計画を組み立てていくのです。
計画表を作成しておくと「目標達成に向けた取り組みは現時点でどの程度進んでいるのか」「おこなった販促がどのくらい効果を出しているのか」を具体的に分析しやすくなります。
目標設定フレームワーク「SMART」に則っているか確認する
「SMART」とは、目標設定をおこなう際に大切な5つの要素をまとめたものです。
- Specific:誰でもわかりやすい具体的な表現で書かれていること
- Measurable:定量化されて、達成度が客観的に判断できること
- Achievable:現実的で達成可能な内容であること
- Related:会社や店舗の経営目標に関係していること
- Time-bound:達成期限が設定されていること
これら5つの要素の頭文字を取ったSMARTを基準にすることで、具体性があり効果の得やすい目標設定ができるのです。
年間計画や月間計画が完成して目標設定がまとまったら、SMARTと照らし合わせて最終的な調整をおこないましょう。
まとめ:目標を設定して販促の効率を高めよう
マーケティングや販促活動では、目標設定を明確にし、計画に基づいた施策を実施することで今まで以上に購買への動機付け効果が高まります。今まで曖昧な目標をもとに販促をおこなっていたなら、まずは状況や改善点を見直し「販促で何を得たら今以上の売上が作れるのか」を分析しましょう。
分析に基づいて具体的な目標を設定すれば、販促効果が上がるだけではなく「ゴールに向かって頑張る」というスタッフのモチベーション向上にも役立ち、サービスやサービスの品質改善などにもつながるでしょう。
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