ディーラーの集客はターゲティングが必須!効果的な7つの販促施策も解説
ディーラーへの集客が難しいと感じた際、「今後どうやって対策すべきかわからない」「どんな顧客なら売れるのか、どういう施策が効果的かを知りたい」と悩む方は多いでしょう。
カーディーラーが集客を成功させるには、ターゲティングをしっかりおこない、狙うべき市場を明確にすることが大切です。
今回はディーラーの集客に欠かせないポイントや、効果的な販促施策を解説します。集客を成功させ、売上の向上や改善を目指したい方はぜひ参考にしてください。
目次
若年層の車への関心が薄れている昨今、ディーラーに求められるのは「集客」
日本自動車工業会の「2023年度乗用車市場動向調査」によると、車を保有していない若年層の関心度や購入意向は、以下の通りです。
若年層車非保有者の車への関心度、購入意向はともに21年度より減少。車の持ち方 では、公共交通機関で十分という意見が半数程度を占める。自分専用車の保有意向は 2 割弱。また、若年層車非保有者のうち、SDGs・CN関心層は車への関心・購入 意向が高く、自動車サービスや自動運転車への受容性が高い点が若年層車保有者と類似。
車を保有しない理由としては主に、維持費がかかることや車がなくても生活できることが挙げられています。
ちなみに、車を持っていない若年層のうち、SDGsやCN(カーボンニュートラル)への関心度が高い層は、関心が薄い層に比べて、車への関心や購入意向が高い傾向にあります。ただし、車に対するイメージについては「ガソリンなどの維持費がかかる」「購入費用が高い」など経済的な懸念が多く挙げられていました。
また、この層はカーシェアやタクシー配車サービスなどに対する受容度も高めです。
これらのデータから、「自家用車を保有しない」「必要な時だけカーシェアやタクシーを利用する」などの選択をする若者は、今後も増加していくと予想できるでしょう。
このような現状でディーラーが売上を確保するには、車を購入する可能性のある顧客を絞り込み、効果的なアプローチによる集客を始める必要があります。
ディーラーが集客を成功させるポイントは「ターゲティング」
集客方法は広告配信やチラシ配布など、さまざまです。しかし、闇雲に施策を実行しても広告費の無駄遣いに終わってしまうため、戦略的におこなうことが大切です。
- どの地域にアプローチするのか
- どの年齢・性別の顧客にアプローチするのか
- どのようなニーズに応えていくのか
こういった項目からターゲットを定め、狙うべき市場を明確化しましょう。
市場選びに有効なフレームワーク
フレームワークを使って市場を分析すると情報を整理しやすく、効果的なターゲティングにつなげられます。
市場選びには、以下のようなフレームワークを用いてターゲティングをおこないましょう。
フレームワーク | 概要 |
3C分析 | 顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3要素を分析し、自社の競争優位性を維持する成功要因を発見する。 |
4C分析 | 顧客視点で顧客価値(Customer Value)、コスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)の4要素を分析し、自社の商品やサービスを評価する。 |
4P分析 | 企業視点で製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)の4要素を分析し、経営戦略の方向性を明確にする。 |
SWOT分析 | 強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4項目を分析して自社の強化すべき点と問題点を明らかにし、自社のマーケティング戦略の優先順位を考える。 |
クロスSWOT分析 |
SWOT分析の4項目を組み合わせて戦略を立てるフレームワーク。 (例)
|
PEST分析 | 政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの外部環境を分析し、それらが自社のマーケティングへ与える影響を長期的な視点で考える。 |
5F(ファイブフォース)分析 | 競合、新規参入、買い手、売り手、代替品の5つの脅威をもとに、業界における競争状態や自社の収益性を分析する。 |
データを用いると効率的に「車が売れる可能性が高い」エリアを探せる
狙う市場が定まったら、その中でも特に「車を購入する可能性が高い層」にアプローチするためのターゲティングをおこないましょう。
ターゲティングをする際には、どんな人物が購入や買い替えを検討しているかの仮説を立ててください。
《ターゲティングの例》
- 「購入から10年」「走行距離10万km」などの買い替え目安を基準に絞り込む。
- 車の「保有世帯」と「非保有世帯」の割合から「車が必需品だと思われる地域を選定する。
このように、さまざまなデータを用いて「車を買いそうなターゲットが多いエリア」を判断することで、集客施策をどこに打つべきかが判断しやすくなります。
エリアを探す際には、企業が提供するデータを用いると情報を一つずつ集める必要が無く、効率的にターゲティングがおこなえるでしょう。以下で、「車を購入する可能性が高い層が集まるエリア」を可視化するのに役立つデータを紹介するので、参考にしてください。
ターゲットエリアの選定には「自動車保有台数データ」を活用しよう
車を購入する可能性の高い層が多いエリアを選ぶ際は、マップマーケティング社が提供する自動車保有台数データの活用をおすすめします。
国産車、輸入車別の自動車保有台数をセグメントしてエリアを絞ると、購入の可能性があるターゲットを見つけやすいでしょう。また、オプションの初度登録年月別、走行距離別の保有データを使うことで「買い替えを検討していそうな顧客」をセグメントできます。
マップマーケティングの自動車保有台数データは、以下のページよりご覧ください。
精度の高いターゲティングには「年収データ」の組み合わせがおすすめ
一口に車の購入といっても「〇〇万円以下の車を探している」「特定の車種しか買うつもりはない」など、顧客が求める条件はさまざまです。
マップマーケティング社が提供する年収別世帯推計データと自動車保有データを組み合わせて市場調査をおこなうと、以下のようなより細かい情報を得られます。
- 年収〇〇万円~〇〇万円の世帯で多く保有されている車のメーカー
- 年収〇〇万円かつ持ち家世帯が多いエリア内における車保有台数 など
これらの分析でエリアごとの需要を把握すると、好まれるメーカーや車を保有する層が多いエリアの属性をもとに、ターゲットを絞り込んだアプローチができるでしょう。
マップマーケティング社の年収別世帯数推計データについては、こちらのページをご覧ください。
ディーラーの集客に効果的な販促施策7選
ディーラーが集客を成功させるには、オンライン施策とオフライン施策を組み合わせて、多角的にアプローチすることが大切です。
ディーラーの集客に効果的な販促施策として、ここでは以下の7つを解説します。
- ポータルサイトへの掲載
- MEO(マップ検索エンジン最適化)
- SEO(検索エンジン最適化)
- SNS運用
- イベント・キャンペーンの開催
- チラシ・DM・折り込み広告
- 広告配信
なお、今回紹介するのは施策の一部です。目的や状況に応じて施策を使い分けましょう。
ディーラーにおすすめの集客方法その1:ポータルサイトへの掲載
ここでいう「ポータルサイト」とは、車や関連用品の販売情報を1カ所に集めたサイトを指します。
既に一定数のアクセスがあり、即効性を期待できる反面、掲載料が高額になりやすいため注意が必要です。掲載先を選ぶ際は、ポータルサイトの特徴が自社の強みと合うか、予算を圧迫しないかをチェックしましょう。
ディーラーにおすすめの集客方法その2:MEO(マップ検索エンジン最適化)
「MEO(マップ検索エンジン最適化)」とは「Map Engine Optimization」の略で、Googleマップ上の地図エンジンで上位の検索結果を狙う施策を指します。
地図エンジンへの登録時には、店舗の場所以外に営業時間やサービス内容を詳しく設定することで、より高い集客効果が期待できます。
ただし、マップには顧客のマイナスな口コミが投稿されることもあります。真偽にかかわらず、マイナスな口コミは店舗の集客に大きく影響するため、口コミに対して真摯な対応をするなどネガティブイメージを払しょくする対策を意識しておこないましょう。
ディーラーにおすすめの集客方法その3:SEO(検索エンジン最適化)
「SEO(検索エンジン最適化)」とは「Search Engine Optimization」の略で、WebサイトのページをGoogle等の検索エンジンで上位に表示させる施策を指します。
SEO対策をおこなう際は、
- 会社ホームページで有益な情報を発信する
- ユーザが使いやすいサイト設計にする
といった施策により、問い合わせ件数の増加や将来リピーターとなり得る顧客の獲得が期待できます。
注意点として、SEOは集客効果が出るまでには時間がかかります。そのため、他の集客方法と併用しながら長期的に取り組みましょう。
ディーラーにおすすめの集客方法その4:SNS運用
YouTube、Facebook、Instagram、XなどのSNSを使って情報発信することで、掲載費用をかけずに集客できます。車に関する有益情報やSNSでしか見られないコンテンツを発信していくことで、集客効果を期待できるでしょう。
ただし、SNS運用は一朝一夕で効果が出るものではなく、特にフォロワーが少ないうちは大きな効果は見込めません。そのため、長期的な視点で取り組む必要があります。
ディーラーにおすすめの集客方法その5:イベント・キャンペーンの開催
イベントやキャンペーンを開催し、実際の店舗に足を運んでもらう方法もディーラーの集客に効果的です。
購入を予定していなかった顧客もイベント会場で実際に車を見ることで関心が高まり、購入につながる可能性があります。
イベントやキャンペーンを開催する際は「ターゲット層に合わせた内容にする」「体験型イベントにする」といった工夫で、ターゲットの関心度を高めましょう。
ディーラーにおすすめの集客方法その6:チラシ・DM・折り込み広告
既にディーラーのターゲットエリアが明確である場合、チラシやDM、折り込み広告を配布するのも有効な施策の一つです。
配布の際は「前回の購入から7年以上経っている顧客」「5年置きに車を買い替える傾向のある顧客」というように、購入の可能性があるターゲットを設定してアプローチしましょう。ターゲットエリアの顧客特性をもとに、アプローチしたい層を具体化したペルソナを設定すると、より響く内容の配布物を作成できます。
ディーラーにおすすめの集客方法その7:広告配信
ディーラーに適した集客方法として、広告配信もおすすめです。集客手段として使われる広告配信の種類と特徴を、表にまとめました。
種類 | 特徴 | メリット・デメリット |
テレビ広告 | テレビ番組の間に放映される広告 | メリット:不特定多数へのアプローチに強く、特に新車種の紹介に効果的である デメリット:広告費が高額な傾向にある |
リスティング広告 | 検索エンジンで上位表示される広告 | メリット:特定のキーワードを検索したユーザの、検索結果に広告を表示できる デメリット:人気のキーワードは広告費が高額になりやすい |
SNS広告 | SNSに表示される広告 | メリット:パーソナル情報やSNS上の行動データから、自社の商品に興味を持つターゲットを絞って配信できる デメリット:ターゲティングに失敗すると余分なコストが発生しやすい |
それぞれの配信方法やメリット・デメリットを把握し、自店舗の集客施策に合った広告配信を利用しましょう。
まとめ:ターゲティングを徹底してディーラーの集客を成功させよう!
- 車の非保有者が多い昨今、ディーラーには集客力が求められる
- ディーラーが集客を成功させるポイントは「ターゲティング」にある
- ターゲットを明確に定めた上で、状況に応じた販促施策を選ぶのがポイント
自動車業界の市場は縮小傾向にあり、ディーラーが今後も売上を維持していくためには、集客への注力が欠かせません。
闇雲に集客施策をおこなうのではなく、地域や年齢・性別、ニーズからターゲットを絞り込み、自社で販売している車を購入する可能性が高い層へのアプローチが求められます。
ターゲットに合わせて効果的な集客施策を選んで実行し、ディーラーへの集客を成功させましょう。