ダイレクトメールの開封率は60%!?内訳や開封率アップの方法を解説
「ダイレクトメール」は自社のサービス・商品の宣伝のために送付する郵送物でマーケティング手法の一つです。最近では電子メール配信も一般的になりつつありますが、他のメールに埋もれて読まれないことも少なくありません。
2021年4月に公開された「DMメディア実態調査2020」では、郵送されるダイレクトメールの約6割が開封されるという結果が出ています。ここでは、この調査結果の内訳とダイレクトメール開封率をアップさせる方法について解説します。
参考:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2020」
目次
ダイレクトメール(DM)の開封率は約60%
2021年4月におこなわれた「DMメディア実態調査2020」のデータでは、自分宛ダイレクトメールの開封・閲読率は63.1%。昨年度の調査では70.0%だったため、数値自体は微減傾向となっています。
しかし郵送ダイレクトメールの開封・閲読理由ついて、20代で「デザイン性が高い」「電子メールとは違って珍しい」「電子メールより読みごたえがある」といった項目が他の世代より高かったことも特徴的です。ユーザーの反応から、郵送ダイレクトメールならではの効果がわかる調査結果となりました。
開封したユーザーの24%に効果があった
2021年4月の同調査ではダイレクトメールを開封した人のうち、その後何らかの行動をとった人の割合は約15%でした。開封したDMにたいする行動パターンで最も多かったのは「インターネットで調べた」です。行動を起こした割合の内6.7%のユーザーが何らかの形でDMの内容をweb検索しています。
また、その後には「家族や友人と話題にした」が4.3%、「店に出かけた」が3.0%という結果が続いています。このことからダイレクトメールは直接的な集客・来店効果以外に「認知度の向上」や「周囲への情報拡散」が期待できることがわかります。
ダイレクトメールに対して何らかの行動を行ったユーザーの内、特に注目したいのは20代の若年層です。調査によると20代男性37.1%、20代女性は27.7%と平均を大きく上回る行動喚起効果が発揮されています。
では、若年層のユーザーは具体的にどのような行動をとったのでしょうか。
男性と女性で行動の傾向に差がある
まず、20代男性女性ともに最も多かったのは「家族・友人・知人などとの話題にした」という項目です。くわえて男性は「商品・サービスを購入利用した」が高めの結果となり、一方で女性は「資料を請求した」という結果が2位に続いています。
このことから若年層の男性はダイレクトメールに対して直接的な行動を起こしやすく、女性はまずより詳しい情報を集めようとするということが分かります。
このような結果を参考に、行動心理を刺激するDMを送ることでより高い効果が期待できるでしょう。
ダイレクトメールの開封率は関係性で変わる
ダイレクトメールの開封率は「顧客との取引関係があるかどうか」でも大きく左右されます。
調査によると「自身が会員である、あるいは商品やサービスの取引経験がある相手」からのダイレクトメールは、76.5%のユーザーが「受け取りたい」「まあ受け取ってもよい」という回答を挙げています。
他の項目と比較すると「取引関係のあるところから紹介された企業やサービスのダイレクトメール」に対しては同回答が55.5%、取引関係のない相手では20.5%、無記名のダイレクトメールは17.0%と関係性によってかなり差が出ています。
一方で、「受け取りたくない」「あまり受け取りたくない」の合計による割合は、取引関係ありで10.5%、紹介企業で25%、取引関係のない場合は57%で、無記名は63.5%となりました。このように、ユーザーは取引関係がない相手や無記名になるほど、ダイレクトメールの受け取りに対して拒否感を示します。
受け取ったユーザーがDMに対して不快感を持てば、企業自体の印象も悪くなるでしょう。ダイレクトメールの開封率を高めるには、まず「顧客との関係性」を確保して信頼関係を構築しておくことが重要なのです。
ダイレクトメールの開封率をアップする方法4選
郵送によるダイレクトメールは認知度向上や購買・来店などさまざまな効果が期待できますが「開封されずに捨てられてしまう」という課題もあります。ダイレクトメールの開封率を上げ、施策の費用対効果をアップさせるための方法を4つ解説します。予算やターゲットに応じて使い分けてみてください。
開封率アップの方法1:サンプルを同封する
開封率をアップさせるために「ドアオープナー」を使用する方法があります。
ドアオープナーとは、顧客がダイレクトメールを開けたくなるように促す仕掛けです。例えばダイレクトメールに同封されたボールペンなどの粗品や、ボリュームのあるサンプル品などがこの仕掛けに当てはまります。
ドアオープナーは「立体的な物体が入っている違和感で思わずダイレクトメールを開けたくなる」という心理を利用した方法です。透明なビニール封筒にして、分かりやすく新商品のサンプルなどを入れるのも効果的です。
開封率アップの方法2:開けやすく加工する
ダイレクトメールの開けやすさも開封率にかかわってきます。開けにくい、開け方に迷うようなダイレクトメールは開封率が低くなりがちです。手でも簡単に切れるようにミシン目加工をすると、糊付けのダイレクトメールより開封しやすくなります。「ここから開けてください」など開け方の説明も添えておくと、顧客が行動に移しやすくなり、開封率アップにつながるでしょう。
開封率アップの方法3:お得感をアピールする
お得感のアピールとは、ダイレクトメールを受け取った顧客に「もっと見たい」と思わせて反応させる手法です。
ダイレクトメールの見える部分に「ポイント10倍!」「もれなくプレゼント」など、お得感を刺激するキャッチコピーを入れてみましょう。クーポンや割引券などを入れる場合は、封筒から見えるようにしておくのがコツです。「先着○名様限定」など、限定であることをアピールして「早く中身を確認したい」といった顧客の焦燥感をあおる方法もよく見られます。他にも「今ならさらに特典付」などと記載して、特典は開封しないと見えないようにしておく、という工夫もできます。
開封率アップの方法4:ターゲットを絞り込む
ターゲットのパーソナリティや仕事・ライフスタイルなどを意識して、パーソナライズしたダイレクトメールを送付するとDMのインパクトが高まります。
「DMメディア実態調査2020」では、パーソナライズを利用したダイレクトメールに気づいた人は、全体の60.5%にのぼりました。パーソナライズされたダイレクトメールの内容には「年齢・性別・誕生日に関連したサービスの提供」「名前・ポイントなど自分に直接関係した情報の掲載」などがあります。
また、パーソナライズされたダイレクトメールを開封したいと回答した人の割合48%に対し、開封したくないと回答した14.5%は大きく下回っています。自分に宛てられたダイレクトメールであると意識させることが開封率アップに繋がることが分かりますね。
まとめ:顧客との関係性を築いて効果的なダイレクトメールを送付しよう
ダイレクトメールの開封率は顧客との関係性が築けているほど高く、行動へ移してもらえる可能性も高まるため、関係性の構築が重要です。しかし、顧客との関係性ができているからといって、どんなダイレクトメールを送っていいものでもありません。
開封率アップのためにはデザイン、開けやすさなども含め、顧客が「開けたい」と思う工夫をこらしたダイレクトメールの送付が望ましいです。今回の記事で解説した開封率アップの方法を参考に、自社に合ったダイレクトメールの内容や送付方法を精査し、販促に活用しましょう。