セグメンテーションのやり方とは?ユーザの細分化でマーケティングの精度アップ!
セグメンテーションはマーケティングの基本です。セグメンテーションを意識することでマーケティングの精度が高まり、市場を正確に理解できるようになります。しかし基本的な事項であるため、改めて確認することなく、曖昧なままおこなっているのではないでしょうか。
今回は、セグメンテーションの内容とやり方、守るべき基準などを解説していきます。セグメンテーションの理解を深め、マーケティングに活かしたい方はぜひ参考にしてください。
目次
「セグメンテーション」はユーザを細分化するマーケティング用語
「セグメンテーション」とは市場内を特定属性で細分化しグループ分けすることです。多様化するターゲットそれぞれに最適なマーケティングを実施するためには、属性で分類してニーズを把握することが重要です。
セグメンテーションでは市場やターゲットを年齢・性別・居住地・趣味などの属性によってグループ化していきます。マーケティングで必要なことは「自社がどの領域で優位に立てるか」の見極めです。優位な領域、つまりターゲット層を選定するために有効な分析手法がセグメンテーションです。
セグメンテーションを実施することで、特定の市場にマッチするマーケティングを展開できます。
セグメンテーションには4つのやり方がある
セグメンテーションには、4つの変数を使うやり方があります。変数の活用によってスムーズなセグメントが可能です。ここでは、セグメンテーションに使われる4つの変数を解説します。
セグメンテーションの変数1:ジオグラフィック変数(地理的変数)
「ジオグラフィック変数」は大きな視点でセグメンテーションをおこなう、初期段階で用いられることの多い変数です。具体的には以下のような変数を指します。
- 居住エリア
- 市区町村などの地理的条件
- 経済発展
- 周りの環境
- 人口
- 人口規模
- 気候
- 文化
- 宗教
地理的要因や地域ごとに売れ行きが変わってくるためジオグラフィック変数をもとに商品を選ぶことで、売上増加や売れ残りの回避につながります。
例えば、地域の違いによる特性として「出汁の味」が挙げられます。一般的に関東と関西で好まれる味つけは違うため、2つの地域にセグメンテーションして、異なる出汁を使った商品を販売展開していくことがエリアマーケティングには求められるでしょう。この事例から分かる通り、日本全国で同じ味に統一するよりも、それぞれの地域で馴染みのある味を販売することで消費者の欲求に近づき、売り上げが上がります。
マーケティングエリアだけではなく、ターゲットとする市場の範囲を決めることも重要です。関西というくくりでいいのか、どの県までを含むのかという検討も売上の増減に結びつきます。
セグメンテーションの変数2:デモグラフィック変数(人口動態変数)
「デモグラフィック変数」は、客観的な基準からセグメンテーションする場合に利用する変数です。利用頻度の最も高いやり方でしょう。主に以下の項目がデモグラフィック変数にあたります。いずれもデータ収集やセグメンテーションの容易な変数です。
- 年齢
- 職業
- 性別
- 所得
- 学歴
- ライフステージ
- 家族構成
職業は、例えば「サラリーマン」の場合はさらに細かく「営業」「事務」などにセグメンテーションしていきます。同じサラリーマンでも職種や業界によって異なるニーズを持っているため具体的なセグメンテーションをおこなうことで正確なニーズを把握でき、よりターゲットに最適なマーケティングにつながります。
マーケティングの方向性を定めてヒット商品を生み出すためには、細かくターゲットを絞れるセグメンテーションが重要です。
セグメンテーションの変数3:サイコグラフィック変数(心理的変数)
「サイコグラフィック変数」は顧客を理解するために重要な変数であり、顧客ニーズの多様化に伴って重要度が高まっています。主に以下のようなライフスタイルを表す変数を指します。
- 価値観
- 趣味
- 嗜好
- 習いごと
- 購買動機
顧客の心理に強く注目しているため、サイコグラフィック変数を利用してセグメンテーションをおこなうと、マーケティング成功時には高い効果を発揮し、売上も大きくアップする可能性があるのが特徴です。
例えば性別や年齢はわかりやすい指標ですが、細かい嗜好やニーズは読み取れません。しかしサイコグラフィック変数による「甘いものが好き」「カロリーが気になっている」といった心理的なセグメンテーションをおこない、ターゲットを定期付けすると、どんな商品をどのように訴求すればよいのか、具体的に考えやすくなります。ただし、サイコグラフィック変数だけでは正確なターゲット数を把握しにくいので、通常は他の変数と組み合わせてセグメンテーションをおこないます。
セグメンテーションの変数4:行動変数
「行動変数」とは、購買状況や購買パターン、製品の知識といった要素のこと。主に以下のような変数を指します。
- 購買状況
- 求めるベネフィット
- ロイヤルティ
- 製品や業界に対するリテラシー
- 製品やサービスの使用頻度
- サービスの利用シーン
- 顧客の購買心理段階
新規顧客にリピート購買を促しリピート顧客に対してはさらに購買を継続させるよう、顧客層によって商品紹介の方法を変化させる手法などに結びつきます。
会員カードやポイントカードによって来店履歴や過去の購入履歴をデータ化して活用することも可能です。未登録の顧客にアプローチをかける、頻繁に商品を購入している顧客に向けたセールを設定する、といった活用方法があります。
セグメンテーションで守るべき4R
実際にセグメンテーションをおこなうときには細分化しすぎるときりがないため注意しましょう。強みを生かした有効なセグメンテーションを実施するためにも、次に紹介していく4Rの原則を基準にするとよいでしょう。
優先順位(Rank)
市場に優劣をつけ自社の強みを生かせるかどうかを判断する基準が「優先順位(Rank)」です。経営戦略や強みと照合しセグメントした市場に対して重要度の優劣がついているかをチェックしましょう。優先するべきセグメンテーションが決まったら次の段階であるターゲティングに進みます。
規模の有効性(Realistic)
その市場から利益を上げられるか生産性があるかを判断する基準が「規模の有効性(Realistic)」です。セグメンテーションをおこなった市場規模が十分大きくない場合、利益を出せない危険性もあります。セグメントの規模が利益を上げるために不十分であると判断される場合は、ターゲティング対象から外しましょう。
到達可能性(Reach)
セグメントした顧客に対し、実際にサービスや広告の提供が可能かを判断する基準が「到達可能性(Reach)」です。コストや方法、文化の壁といった課題の精査が重要です。ターゲット市場と自社の強みがマッチして市場規模が十分であっても、コストがかかりすぎる場合や言語の壁があって難易度が高い場合は再検討する必要があります。
測定可能性(Response)
実際に市場規模や境界線の測定ができるかを判断する基準が「測定可能性(Response)」です。市場の規模に加え、購買力や嗜好といった属性の測定についてもチェックします。
あいまい過ぎるセグメンテーションは市場を測定するのが困難であるため、基準にできません。具体的な数値に換えられないか検討しましょう。
まとめ:セグメンテーションのやり方を理解して精度の高いマーケティングに繋げよう
- セグメンテーションを理解することでマーケティングの精度が高まる
- セグメンテーション時に覚えておきたい4つの変数がある
- セグメンテーションは4Rを守ることで効率的におこなえる
セグメンテーションを適切におこないターゲットを絞り込むことで効果的なアプローチ方法を決めやすくなります。多様化した顧客ニーズを理解して販促を最適化するためにも、セグメンテーションは欠かせません。市場を分類するセグメンテーションのやり方を理解し、ターゲットのニーズに合うマーケティングを実現していきましょう。