【顧客分析で自社のターゲットを知る】属性の種類や分析手法を解説
顧客属性は事業を進めて、集客したり顧客単価を上げたりする際には必ず取得しておきたいデータです。
しかし、具体的に顧客のどのような情報が顧客属性となるのでしょうか。
今回の記事では顧客属性を決める要素と属性の概要、収集・分析方法について解説します。
目次
顧客属性とは顧客情報をカテゴリー化したもの
顧客属性とは、顧客一人一人の個人情報をグループに分類した、顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)上の関連データなどを指します。
例えば、氏名や住所・購買履歴などデータとして管理しやすい情報はもちろん、趣味・好み・考え方などのデータとして抽出しにくい定性的な要素も顧客属性の一つです。
これらの要素には、一見ビジネスに直接的な関係がなさそうなものもあります。しかし、顧客がどんな人物なのかを仔細に把握できれば、ターゲット層やニーズの解像度が高まります。
多くの顧客情報を集めて顧客属性を明確にすることが、今後のビジネスの成否に関わってくるのです。
顧客属性別のグループを「顧客セグメンテーション」と呼ぶ
顧客情報は、収集した段階では個々の独立した個人情報でしかありません。顧客情報をマーケティングに活用できるデータにするには、似通った顧客情報をグループ分けする必要があります。
分類された顧客情報は「顧客セグメンテーション」と呼ばれ、マーケティング戦略や商品開発などさまざまな分野で活かされていくのです。また、顧客セグメンテーションを作るには、データを使うシーンに適した分析手法が必要です。
例えば同じ顧客情報を使用する場合でも
- 顧客の趣味嗜好を汲み取った新製品開発
- 購買金額やリピート率を加味した店舗に対する商圏の再設定
上記2つの目的では、必要なデータが異なります。
目的に合った手法で戦略に役立つ顧客セグメンテーションを作ることが、顧客情報を扱う上で最も重要なポイントなのです。
顧客属性には「静的」「動的」の2種類がある
顧客属性に数えられる要素はたくさんあります。集める情報が多ければ多いほど顧客個人のディテールを明確に捉えられ、セグメンテーションも詳細に設定できるでしょう。
顧客属性は「静的属性」「動的属性」の2種類に分類できます。
自社で集める属性を決める際、カテゴライズしやすいようにどんな要素がどの属性に分類されるのかチェックしておきましょう。
「静的属性」は今後変わることが無い項目
静的属性に属する属性の条件は「特別な事情がない限り今後変化しない情報」であることです。例えば以下の情報が静的属性に分類されます。
- 出身地
- 生年月日
- 性別
静的属性は特別な理由がない限り変わることはありません。一度データ収集すればアップデートの必要がほとんどないため、顧客属性の中では比較的管理しやすい部類といえます。
「動的属性」は変化の可能性がある項目
一方で動的属性とは「将来的に変わる可能性がある情報」を指します。動的属性のカテゴライズは幅広く、業種によって集めるべき要素は違いますが、中でも代表的な属性の種類は以下のとおりです。
- 年齢
- 職業
- 現住所
- 世帯構成
- ライフスタイル
- 趣味
- 価値観
特に趣味や価値観などは心理的情報と呼ばれる、動的属性の中でも特に「いつ変わってもおかしくない情報」です。顧客属性を収集した後も定期的に顧客情報を集め直し、動的属性の変化を見逃さないようにしましょう。
顧客属性の収集方法や分析の種類とは
顧客属性は顧客が自発的に提供してくれる情報ではありません。
データを集めて分析したい場合、会社側から顧客にアクションを起こして情報提供を促す必要があります。では、実際にどのような方法を使えば顧客から個人情報を提供してもらえるのでしょうか。
ここでは、顧客属性の収集方法とセグメンテーション化するための分析手法について見ていきましょう。
顧客属性の収集は自社でおこなう
顧客情報を収集するには、自社で「データを集めやすい方法」を考えて実施しなければなりません。
自社を利用している顧客に対して、ただ闇雲に個人情報を尋ねても答えてくれる人はほとんどいないでしょう。顧客情報を効率的に集めるには、顧客に「情報を提供しよう」という気持ちを持たせることが大切です。
例を挙げると、ポイントカードやECサイトの会員登録などが効果的な方法です。新規登録によって何らかのリターンを得られるポイントカードや、2回目以降の利用が楽になるECサイトの会員登録は顧客にとってメリットがあるためです。ECサイトの会員登録に特典をつけると、さらに顧客の登録意欲を高められます。
ほかに、SNSでアンケートのキャンペーンを開催する方法や予約システムアプリの導入もおすすめです。
ただし、個人情報の管理は細心の注意を払わなければならない部分でもあります。システムから情報が漏洩すれば企業全体の信用が損なわれるだけでなく、顧客に迷惑をかけてしまうかもしれません。
顧客情報を集めるシステムやツールを取り入れるときは、情報の取り扱いに対するルールを厳格に設定し、十分なセキュリティで流出を防ぐことをおすすめします。
顧客属性を「顧客セグメンテーション」に分ける分析手法
集めた顧客属性をセグメンテーション化するには、いくつかの分析手法が役立ちます。
例えば購入金額が高い順にセグメンテーション化したい場合、購買比率や購買累計額で優良顧客を見極める「デシル分析」が有効です。金額だけでなく購買行動をメインにセグメンテーション化したい場合は、直近の購買日(Recency)と購買頻度(Frequency)・購買金額(Monetary)を数値化した「RFM分析」が適しています。
ほかにも分析手法は数多くあるので、把握したい属性に合った手法を組み合わせて顧客属性を分析していきましょう。
まとめ:顧客属性はさまざまな戦略に活用できる
顧客属性を分析し顧客への理解を深めると、自社店舗を利用している顧客がどんな生活をして、どういう趣味嗜好を持っているのかが分かります。
顧客の人間性を知ることで「顧客がどんなサービスを求めているか」「ターゲット層が今後何に関心を抱くのか」などの洞察がしやすくなるでしょう。
顧客属性を分析データとして保有することは、広告や販促戦略以外にも開発・新事業企画、営業活動などさまざまな戦略に応用できる強力な武器を取得したに等しいのです。