顧客属性を分析して戦略の精度アップ!具体的な手法を解説します

分析手法・フレームワーク , 顧客・データ分析
このエントリーをはてなブックマークに追加

顧客属性とは顧客自身が持っている情報を指します。顧客属性が明確になるとニーズをより理解しやすくなりマーケティング戦略を考える際に精度を高めやすくなります。

本記事では、顧客属性の重要性や分析方法、分析時の注意点などについて解説します。顧客属性の分析結果をマーケティングに活かしたいと考えている方は、ぜひご覧ください。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

顧客属性の内容と重要性とは?

顧客属性とは、顧客のプロフィールとなる情報を属性ごとに分類した情報であり、「静的属性」と「動的属性」に分けられます。

静的属性とは変化することのない属性データであり、性別や誕生日、出身地域などの項目が代表です。一方、動的属性は今後変化する可能性がある属性データを指し、主に住所や仕事、氏名、家族構成、趣味などが挙げられます。

静的属性は一生変わることがない情報であるため、一度データを集計したら更新は不要です。しかし、動的属性は対象者のライフステージによって変化していくため定期的なデータ収集の実施が欠かせません。

顧客情報についてセグメントごとに分類することで、ニーズを把握でき効率的な施策がおこないやすくなるでしょう。

顧客属性を分析する方法4選

では、実際に顧客属性を分析するにはどのような方法でおこなうと良いのでしょうか。

ここでは4種類の分析方法(クラスター分析・セグメンテーション分析・RFM分析・デシル分析)を解説します。顧客属性の分析手法について理解しマーケティングの精度を高められるようにしましょう。

顧客属性の分析手法1:クラスター分析

「クラスター分析」とは、異なる属性が混ざっている大きな集団の中から似ている要素を集めて分類していく顧客属性の分析手法です。クラスター分析においてグループ分けされたデータ集団を「クラスター」と呼びます。

クラスター分析には2種類の手法があり「階層的手法」と「非階層的手法」に分けられます。

「階層的手法」とは、似ている要素を持つデータでクラスターを作り、下から上へ向かうようにまとめていき、最終的にはトーナメント表のような樹形図(デンドログラム)とする分類手法です。一方「非階層的手法」とは、樹形図のような構造を持たないクラスターに分類する手法をいい、あらかじめ決めたクラスター数に合わせて似ている要素を分類してクラスター作成をおこないます。

階層的手法のメリットとして挙げられるのは、樹形図によって視覚的にも分かりやすい分析データが得られることです。また、非階層的手法では階層的手法よりも少ない計算量で分析できるため、大きなデータを扱いやすいことがメリットといえます。

顧客属性の分析手法2:セグメンテーション分析

「セグメンテーション分析」とは、属性の似ている顧客同士をグループに分けて分析する手法です。セグメンテーション分析では、以下の属性をもとにグループ分けすることが多いです。

  • 人口統計学的属性(年齢・性別・住所・職業など)
  • 行動科学的属性(購入日・購入金額・来店頻度など)
  • 心理的属性(趣味・生活スタイル・価値観など)

セグメンテーション分析のメリットは属性が似ている顧客をグループ化するためターゲット層ごとのニーズにマッチする施策をおこないやすい点です。また、施策の効果検証をしやすいことも挙げられます。

顧客属性の分析手法3:RFM分析

「RFM分析」とは、最終購入からの日数(Recency)・購入頻度(Frequency)・購入累計金額(Monetary)の3要素で顧客をグループ分けする分析手法です。

RFM分析では3つのデータを収集したあとそれぞれの数値をスコア化して優良顧客や新規顧客、休眠顧客などに分類するのが基本です。一人一人の顧客に合わせたアプローチが可能になるため、購入可能性の高い顧客に向けた最適なアプローチによる売上アップが期待できます。

顧客属性の分析手法4:デシル分析

「デシル分析」とは、顧客の購入金額をもとにグループ分けしていく分析手法です。

自社の購買データをもとに全顧客を購入金額の高い順から10等分にしていき、購入比率や売上高の構成比率を各ランクで算出します。全体の購買金額と各ランクの購買金額の割合が可視化できるため、売上比率が分かるほか、今後注力すべき顧客グループを抽出することが可能です。

顧客属性分析の効率を上げる注意点

ここからは顧客属性の分析を効率良くおこなうための注意点について紹介します。3つの注意点を押さえて、マーケティング精度の向上につなげていきましょう。

顧客属性分析の注意点1:結果がぶれないように、分析したい理由やゴール、分析のフローなどを決める

顧客属性を分析する大前提として、結果がぶれるのを避けるために分析する理由やゴール(目標)、全体の流れを決めておく必要があります。

分析結果は頭の中で整理するだけではなく、言語化してレポートに記載することや分析に関わるメンバーと共有することが大切です。また、一度決めた目標を定期的に見直すことも欠かせません。分析フローに沿って到達したいゴールや結果に合ったデータを使用しているか、途中で確認することをおすすめします。

顧客属性分析の注意点2:顧客属性の収集システムを構築する

顧客属性を分析するために必要なのは、顧客情報の収集システムを構築することです。

より顧客のニーズに沿ったアプローチをするためには、効率的にデータを収集できる取り組みを続けて、データを蓄積していきましょう。

効率よく顧客データを集める例として、会員登録制度やポイントカード、アンケートの活用などが挙げられます。実店頭での接客時に顧客の生の声から属性を収集することも一つの手段です。

顧客属性分析の注意点3:課題や問題点を絞り込んで分析する

集めた顧客属性をただセグメント分けするのではなく課題や問題点を絞り込んで要素ごとに分析することもポイントです。

顧客属性分析において何を調べたいのか、その結果をどのような施策に生かして改善していきたいのかなどを明確にすることで、より効果の高い分析をおこなえます。

分析手法に合わせて必要な情報に絞って収集することで、効率良く顧客属性の分析ができるため、あわせて押さえておきましょう。

まとめ:顧客属性を分析してマーケティング精度を高めよう

  • 顧客属性を分析すると、顧客ニーズが掴みやすくなる
  • 分析手法を活用することでマーケティング精度を高められる
  • 分析の目的は明確にし、効率的に顧客属性を集める必要がある

顧客属性は静的属性と動的属性に分けられ、それぞれのデータを活用することで顧客のニーズを把握できます。

クラスター分析やセグメンテーション分析、RFM分析、デシル分析などを組み合わせて分析すると、顧客属性が可視化されて顧客一人一人に合った施策を考えやすくなるでしょう。

それぞれの分析手法を取り入れる際には、分析の目的を明確にして今後の施策や改善につなげていくことがポイントです。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

タグ : データ分析 顧客属性
このエントリーをはてなブックマークに追加