顧客ニーズ分析で顧客心理をつかもう!分析方法を3ステップで解説
マーケティングでは、顧客のニーズを把握することが大切です。しかし、「顧客ニーズのつかみ方がわからない」「顧客ニーズの分析・活用方法を知らない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
顧客ニーズを的確に把握できると、顧客の購買行動に合ったアプローチがおこなえます。また、顧客満足度向上による顧客増加も期待できる効果です。
本記事では、顧客ニーズ分析の概要やメリット、具体的な分析の手順を解説します。顧客ニーズ分析の結果を生かしたマーケティングで、顧客数を増やしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
顧客ニーズ分析とは、顧客を理解するための分析手法
顧客ニーズ分析とは、購買行動やアンケート結果などのデータをもとに、「顧客が自社に何を求めているか」を読み取る手法のこと。
顧客ニーズを適切に把握した上でマーケティングをおこなうと、顧客満足度が高まりやすくなります。その結果、自社の顧客数増加が期待できるでしょう。また、顧客が自社に求めていることを把握できれば、商品の開発や改善、販促施策などにも生かせます。
顧客ニーズ分析を実行する際に重要なのは、「顧客ニーズ」とは何なのかを正しく理解することです。この章では、顧客ニーズの意味と、分析時に覚えておきたいニーズの種類を解説します。
顧客ニーズとは、商品やサービスに対する「顧客の欲求」
顧客ニーズとは、商品やサービスに対する顧客の欲求のことで、マーケティングに大きく影響する項目の一つです。
よくある間違いに「顧客が欲している商品やサービス」が顧客ニーズという捉え方があります。しかし、商品やサービスは顧客の悩みを解決するための手段でしかありません。顧客ニーズとは、「顧客が商品・サービスを利用する上で実現したい欲求」や、「企業・店舗に対して商品・サービスを求める理由」を指しています。
例えば、「スポーツウェアを買う」という手段の背景には、「運動をするために必要」「習い事で使うから欲しい」などの理由、つまり顕在的な顧客ニーズが読み取れます。さらに深掘りしていくと、「痩せたい」「モテたい」「健康になりたい」といった潜在的な顧客ニーズも見えてくるでしょう。
マーケティングの精度を上げるには、顕在的な顧客ニーズを把握するだけでなく、潜在的な顧客ニーズを掘り下げることが重要です。
顧客ニーズ分析時に覚えておきたいニーズの種類
顧客ニーズ分析をおこなうときには、5つの視点から分析するのが良いでしょう。
- 顧客が商品・サービスに求める機能
- 顧客が商品・サービスに求める価格
- 顧客が商品・サービスに求めるデザイン性
- 顧客がブランドに求める魅力・価値
- 顧客がブランドに求めるサポート
これらの視点からニーズを分析することで、顧客が商品やブランドに求める価値を具体化できます。
例|革靴メーカーのビジネスシューズの顧客ニーズ
革靴メーカーのビジネスシューズに対する顧客ニーズを例として、項目ごとの表にまとめました。
顧客ニーズの具体例 | |
---|---|
機能 | 快適な履き心地、耐久性、防水性、通気性、フィット感 など |
価格 | 安さ重視か、品質重視か など |
デザイン性 | クラシックなデザイン、現代的なデザイン、カラーバリエーションの豊富さ、一点物・オーダーメイドか など |
魅力・価値 | 品質、技術、歴史・伝統 など |
サポート | アフターケア、保証制度 など |
顧客ニーズを明確にすると、顧客が求めているものや商品・サービスへの理想が分かり、適切なマーケティングをおこないやすくなります。具体例を参考に、自社ブランドや取り扱っている商品・サービスに対して、顧客が求めている価値を把握しましょう。
顧客ニーズ分析をおこなうメリット
顧客ニーズ分析をおこなう主なメリットには、以下の項目が挙げられます。
- 顧客の購買行動に合わせたアプローチが可能になる
- 顧客満足度の向上につながる
それぞれのメリットを理解し、精度が高い顧客ニーズ分析を実行しましょう。
顧客ニーズ分析のメリット1:顧客の購買行動に合わせたアプローチが可能になる
顧客ニーズを分析することで、顧客の購買行動に合わせたアプローチが可能になります。顧客ニーズ分析によって把握できる購買行動は、以下のような内容です。
- 利用頻度や購入の時期/時間帯
- 店舗への訪問・リピート回数、店舗滞在時間
- 購入履歴のある商品・サービス
- 商品・サービスの購入理由
これらの分析結果を参考にすると、以下に挙げた例のような、顧客ごとに適したアプローチがおこなえます。
- 毎月決まった周期で商品を購入する顧客に対し、利用日を予測して、新商品の情報を発信する。
- 定額サービスを一定期間利用している顧客に、より内容が充実したプレミアムサービスのプロモーションを送る。
- セール時の利用頻度が高い顧客に対して、シークレットセールの招待券を提供する。
このように、顧客の購買行動に合わせたアプローチをおこなえば、自社の顧客増加が期待できます。また、購買件数や金額、リピート回数の向上などにも良い影響を与えてくれるでしょう。
顧客ニーズ分析のメリット2:顧客満足度の向上につながる
顧客ニーズ分析をおこなう2つ目のメリットは、顧客満足度の向上につながることです。具体的な購買行動を把握すると、顧客に対して魅力的な顧客体験を提供しやすくなります。
良質な顧客体験は、顧客満足度を向上させ、「また利用したい」「この商品・サービスを買い続けたい」という心理を刺激できるでしょう。その結果、顧客の自社に対する信頼度や好意が向上し、顧客ロイヤリティが高まることも期待できます。
顧客ニーズ分析を実行するための3ステップ
顧客ニーズ分析は、以下の3つの手順で進めます。
- 分析に必要なデータを集める
- 集めたデータを分析する
- 分析結果を整理し、マーケティングに生かす
各ステップのポイントを押さえ、効果的な顧客ニーズ分析を実行しましょう。
顧客ニーズ分析の実行ステップ1:分析に必要なデータを集める
顧客ニーズ分析をおこなうためのデータを収集しましょう。
分析に使用できるデータは、主に自社が保有する顧客属性や、購買履歴などの顧客データです。これらは、ポイントカードや専用アプリの会員登録や、顧客との取引履歴などから収集できます。
その他に、アンケートやインタビューでデータを集める方法もあります。この方法の特長は、「回答を記述式にすることで定性データも収集できる」「顧客からの直接的なフィードバックを得られる」などです。
ただし、質問に対する顧客の解釈がずれてしまうと、データの信頼性が低くなる可能性があります。理解しやすい文章で質問する、5段階評価やチェック式の質問を併用するなどの工夫で、必要な情報を正確に集めましょう。
顧客ニーズ分析の実行ステップ2:集めたデータを分析する
効率的に分析するには、集めたデータを闇雲に見るのではなく、必要な手順が決められたフレームワークを活用しましょう。
代表的な分析手法には、CTB分析やデシル分析、RFM分析などのフレームワークがあります。各フレームワークの詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。
顧客ニーズ分析の実行ステップ3:分析結果を整理し、マーケティングに生かす
顧客データ分析の完了後は、分析結果を整理して活用しやすい形にしましょう。
ただし、分析結果のボリュームが多い場合、手動で整理するのは困難です。効率化するには、CRM(顧客関係管理ツール)やSFA(営業支援ツール)、MA(マーケティングオートメーション)といったビジネスツールの導入を検討しましょう。これらのツールを用いると、一元的に情報を管理でき、顧客ニーズ分析の効率を高められます。
分析結果を整理したら、まずは自社を利用する顧客の購買行動を把握し、顧客ニーズを掘り下げましょう。
- 顧客がどんなきっかけで商品・サービスを買おうと思ったのか
- どの商品・サービスをいつ、どのくらいの頻度で買ったのか
- 購入した理由や、商品・サービスに対する欲求は何か
などを理解できれば、商品開発や価格の見直し、販促や集客施策の立案など、さまざまなマーケティング活動に役立つでしょう。
まとめ:顧客ニーズ分析で顧客心理を理解し、マーケティングに生かそう!
- 顧客ニーズ分析とは、顧客心理の理解に欠かせない分析
- 顧客ニーズ分析は精度の高いマーケティングの実行に役立つ
- 必要なデータを収集したら、フレームワークを活用した分析をおこなう
顧客ニーズ分析は、顧客を理解するために、商品・サービスに対する「顧客の欲求」や「購入する理由」などの顧客ニーズを掘り下げる分析手法です。
顧客ニーズを把握できれば、顧客の購買行動に合わせたマーケティングがおこなえます。また、顧客の欲求を満たす顧客体験を提供することで、「またこの店を利用したい」「商品・サービスを使い続けたい」などの心理を刺激できるでしょう。
顧客に合ったマーケティングをおこなうためには、まず、分析に使えるデータの収集が必要です。自社が保有する顧客データ以外では、インタビュー・アンケートの実施などでもデータを集められます。
これらのデータを用いて、自社の顧客が何を求めているのかを把握し、今後のマーケティングに生かしてください。顧客ニーズを満たすアプローチがおこなえれば、顧客満足度が高まり、自社の顧客数の増加につながるでしょう。