顧客データを分析する5つの方法と効率アップのポイント

顧客・データ分析
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CRMやBI、DMP、CDPなど、顧客データの分析に活用可能なツールやシステムは徐々に増えつつあります。
顧客分析や自社製品/店舗を利用する顧客が

  • どんな人物なのか
  • 何を購入しているのか
  • その頻度はどのくらいなのか

など、そういった顧客データを分析する手法は、世の中に数多く公開されています。
今回は、顧客データ分析の手法5つを紹介するとともに、顧客データ分析の精度を高めるポイントについて解説します。

最後まで読むことで、顧客データ分析の種類や、それぞれのデータ分析手法が何に適しているのか分かるでしょう。

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顧客データを分析する手法5選


データを用いて「顧客の購買頻度」や「購買傾向」を探り、今後の販促に繋げる「顧客データ分析」は、企業のマーケティングに欠かせない行程です。顧客データ分析にはいくつかの手法がありますが、それぞれ指標や複雑度が異なります。

今回はメジャーな5つの顧客データ分析手法、またその使い方をご紹介します。

顧客データ分析手法1:RFM分析

「RFM分析」は、

  • 顧客の直近購買日(Recency)
  • 購入頻度(Frequency)
  • 購入金額(Monetary)

という3つの指標を使って、顧客をグループ化するデータ分析手法です。
基本的には、すべての数値が高いほうが優良顧客であると判断します。ただし、RFM分析は「優良顧客」だけでなく、「より優良顧客である可能性が高い顧客」を分類できるというメリットがあります。

例えば、直近購買日(Recency)が同じ顧客が2人いたとしましょう。
このとき、購入頻度(Frequency)が高いほうが、頻繁に店を訪れている「常連客」ということになります。また、直近購買日(Recency)の数値の高さや低さによって、今後の利用度や顧客離れの可能性を予測できます。

つまり、3つの指標を使うからこそ、B to C商材の販売に重要となる「多角的な顧客データ分析」ができるのです。

顧客データ分析手法2:CTB分析

「CTB分析」は、分析したい顧客データをグループ分けして行う分析方法です。
主に、

  • カテゴリー(category)
  • テイスト(taste)
  • ブランド(brand)

という3つの指標でグループ分けして分析します。

この分析手法は、他の分析とはやや異なる「独自性の高い顧客データ分析手法」です。なぜなら、CTB分析は実店舗で使うよりも、「購入履歴が残りやすいネットショッピング」で導入しやすいデータ分析だからです。

まずは、顧客をカテゴリー(category)、テイスト(taste)、ブランド(brand)という3つの指標でグループ分けします。
カテゴリーは洋服、生活用品、ペット用品などの大きな分類から、さらに細分化されたレディースウェア、キッチン用品などの中分類を指します。
テイストは色や模様、サイズ、デザインなどを指します。
ブランドは文字通りメーカーやブランドの好みのことです。

販売履歴を確認してこれらの指標を当てはめることで、
その顧客が何を好んでいるのかを把握できるうえ、今後の購買予測や販促アプローチが立てやすくなります。

顧客データ分析手法3:デシル分析

「デシル分析」は、購買金額を元に金額順に並べ替え、総数を10個のグループに分けることで、売上が多い層を割り出すシンプルな顧客データ分析です。

例えば、顧客が1000人いたとしたら購入金額ごとに100人ずつのグループに分けて、各グループの合計購入金額を算出します。その合計金額を、全顧客の購入金額の合計で割って比率を出すと、どのグループが最も売り上げに貢献しているかが分かるのです。

ただし、デシル分析は計算がシンプルでわかりやすい反面、やや精度に欠ける傾向があります。そのため、これから顧客分析を始める場合など、今後の方向性を決めるタイミングで取り入れるのがおすすめです。

顧客データ分析手法4:セグメンテーション分析

「セグメンテーション分析」は、購買履歴のデータから属性や特徴を設定し、類似性が高いカテゴリーを指標として分析する手法です。そのため、顧客データ分析手法とは、やや異なるアプローチで行われる分析となります。

例えば、顧客の業界・業種や購入するまでの行動履歴、会社の所在地などがカテゴリーに当てはまります。このとき、「顧客分析で明確にしたいこと」を定める必要があります。
顧客データ分析の前に、「指標を決めるための定義」が求められるため、他のデータ分析である程度の方向性を決めた後に活用しましょう。

顧客データ分析手法5:特定顧客抽出

「特定顧客抽出」は、名前の通り「特定顧客のデータ」を累積させ、そのデータを元に各顧客に合わせて販促をする手法です。

特定顧客のデータは、会員登録制のポイントカードやサイト登録によって集めて、個人のデータが集まることで、その人の購買傾向や好み、購買頻度がわかります。そのため、大多数に向けて販促を行うよりも、特定顧客の購買意欲をそそるアプローチが可能になるデータ分析手法です。

顧客データ分析で押さえておきたいポイントとは


顧客データ分析を実施するときは、事前に押さえておきたいポイントがあります。分析チーム内で共有して顧客データ分析をすれば、より効率的に欲しい結果を得られるでしょう。ここでは、顧客データ分析の精度を高める3つのポイントを解説します。

顧客データ分析のポイント1:顧客を定義づける

すべての顧客データ分析に共通するのは、分析する前に「顧客の定義付けをしっかりと決めること」です。

世の中にはさまざまな趣味嗜好を持った人がいます。その中から、無作為に顧客を集めようとするのはあまり効率的とはいえません。
顧客データ分析をして、自社への貢献度が高い顧客を見極めるには、

  • どんな顧客が自社に良い影響を与えるのか
  • 将来的に自社を継続利用する顧客の傾向はあるのか

などを定義化しましょう。その定義がしっかりしていれば、分析で何を重要視すればいいのかが明確になり、より効率的な顧客データ分析ができます。

具体的な決め方として、顧客の定義付けには「ペルソナ」の設定がおすすめです。これは、自社でピックアップした「欲しい顧客」の特徴を使って、1人の架空人物を作る方法です。年齢、性別、会社、趣味嗜好、家族構成など、なるべく詳細にプロフィールを作成して、「ペルソナに売るための施策」や「ペルソナに合わせた分析」をすれば、リアルな顧客像が見えてくるでしょう。

顧客データ分析のポイント2:顧客のニーズを把握する

顧客データ分析に欠かせないポイントは、「顧客のニーズを把握しておくこと」です。会社側は「こんな顧客が欲しい」と思っていても、顧客側が「この店で買いたい物はない」と感じてしまうと、継続的な利用は期待できません。

自社の求める顧客像がはっきりしたら、その人たちが「自社を選ぶ理由」や「どの商品・サービスにニーズを感じているか」などのターゲットとなるユーザのニーズを掘り下げましょう。
こういったニーズ研究は顧客分析だけでなく、その後のサービスや商品の開発・提供にも重要なデータとなります。

顧客データ分析のポイント3:分析結果を施策に活かす

顧客データ分析の結果は実際の施策や稼働に反映してはじめて、分析結果が有用だったか、正しい分析結果だったかがわかります。

顧客データ分析で重要なのは、「分析」と「実践」を繰り返すことであり、
結果を用いて販促や営業、商品開発の施策を作り、試し続けることです。「結果が出たら終わり」と満足していては、いつまでも自社の業績向上に活かせません。

データ分析の結果がずれていれば、施策自体が失敗してしまうこともあるでしょう。そのときは、またデータ分析からやり直し、別の施策を試しましょう。「分析」と「実践」を繰り返すことで分析した結果を活かした「顧客データ分析」が可能になります。

まとめ:顧客データ分析は施策に活かしてこそ意味がある


顧客データ分析の精度が高まれば、顧客の購買意欲を高められ、将来的な継続利用度や購買額向上につながります。ただし、顧客データ分析は「ただ分析しているだけ」では意味がありません。
本記事で解説した「5つの顧客データ分析手法」の結果が出たら、これから始める施策に、分析結果を取り入れてみましょう。

データを元にした施策が成功すれば、その成功事例もまた将来のデータとなります。分析結果と成功事例が蓄積されるほど、将来の自社を支える礎となるので、ぜひこの機会に顧客データ分析を導入しましょう。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

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