富裕層がどこにいるのかを知りたい!調査方法やデータの活用方法を解説
富裕層をターゲットにビジネスを展開する際、
「そもそも富裕層がどこにいるのかわからない」
「富裕層がどこにいるかを知った上で、どのようにマーケティングへ生かすべきか知りたい」
と悩んでいませんか。
富裕層データを正しく捉えてターゲットエリアを選定し、効果的な販促施策を実行すれば、富裕層に向けたビジネスの成功につながります。
今回は、富裕層の一般的な定義や調査方法、取得した富裕層データの活用方法を解説します。富裕層がどこにいるかを把握して集客を強化し、売上アップや顧客との関係構築につなげたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
富裕層とはそもそも何を指すのか?
結論からいうと、日本国内における富裕層の明確な定義は決まっていません。
野村総合研究所では純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯を「富裕層」、5億円以上の世帯を「超富裕層」と分類し、調査基準としています。
出典:野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)
純金融資産とは、金融資産総額から負債を差し引いた金額です。
例えば、ある世帯の金融資産総額が1億円だとしても、1千万円の負債がある場合、純金融資産は9千万円となり、野村総合研究所の調査における富裕層とはみなされません。
そのため、この基準を「資産が多い富裕層」に対するマーケティングに生かすのは難しいでしょう。
マーケティングにおいて富裕層をターゲットとする際は、富裕層の多い地域を抽出するほか、富裕レベルの高い/低いエリアを把握して市場を選び、販促効果を期待できるターゲットに向けたアプローチを検討しましょう。
家計資産総額がもっとも多いエリアは「東京」
総務省の「2019年全国家計構造調査」によると、
家計資産総額のもっとも多い都道府県は東京都で47,010千円、続いて神奈川県が37,877千円、愛知県が34,898千円でした。
反対に、総額のもっとも低い北海道は14,316千円で、都道府県別のデータを見ても大幅に差があります。
出典:「2019年全国家計構造調査」(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/zenkokukakei/2019/pdf/gaiyou0518.pdf)
これらのデータを見ると「金融資産が多い都道府県は富裕レベルが高い」と思われるかもしれません。
しかし、同一エリアで総世帯の金融資産と富裕層の多さが比例するとは限らないため、マーケティングに役立つ富裕層データの入手には、より詳細な調査が必要です。
富裕層がどこにいるかを調査する方法
「このエリアには金融資産◯億円の富裕層が◯人居住している」といったように、具体的な数値から富裕層がどこにいるかを調べる方法は、2024年の時点では存在しません。
ただし、具体的な富裕層データの使用を検討している場合、マーケット調査サービスをおこなっている企業に調査を依頼できる可能性があります。
調査の際には、調査サービス企業との間で「年収、貯蓄がどの程度の層を富裕層とするか」といった富裕層の定義や基準のすりあわせが必要です。また、調査サービスの依頼にはコストが発生するため、あらかじめ調査目的をしっかりと決めた上で取得したデータを活用しましょう。
マップマーケティングが販売している「富裕層データ」も手段の一つ
マップマーケティングが提供する富裕層データでは、フロー型の「年収」とストック型の「貯蓄」の両面から、地域別の「富裕度」を総合的に可視化できます。
富裕層データで把握できるのは、以下の統計データや推計データを加工して数値化した富裕度です。
- 年収別の世帯数推計データ
- 貯蓄推計データ
- 国勢調査データ
加工された富裕層データからは、母集団の平均値を100として算出した各エリアの富裕度が把握できます。例えば、「東京都渋谷区笹塚1丁目」の富裕度は、以下の通りです。
- 全国を母集団とした場合:149.0
- 東京都を母集団とした場合:123.3
調査コストをかけずに富裕レベルの高いエリアを特定したい方や、富裕層をターゲットとした販促施策にデータを生かしたい方は、下記ページで詳細をご覧ください。
富裕層がどこにいるかを把握したら、データをマーケティングに活用しよう
富裕層データのマーケティングへの活用例として、以下のような施策を挙げます。
- 販促イベントの企画
- ターゲット広告の最適化
- GISを組み合わせた商圏調査
活用例を参考にしながら、実際のマーケティング戦略を考えましょう。
富裕層データの活用例1:販促イベントの企画
富裕層データは、富裕層をターゲットにした商品のプロモーションイベントや、グルメイベントなどの販促を企画する際に活用可能です。
富裕層が多く集まるエリアや、そこからアクセスの良いエリアをイベントの開催会場に選ぶことで、ターゲットに設定した富裕層に訴求しやすくなります。
富裕層に合ったイベントの開催は、ターゲット顧客との関係性を強めたり、ブランドの認知度アップにつなげたりしやすいでしょう。
富裕層データの活用例1:販促イベントの企画
富裕層データは、富裕層をターゲットにした商品のプロモーションイベントや、グルメイベントなどの販促を企画する際に生かせます。
富裕層が多く集まるエリアや、そこからアクセスの良いエリアをイベントの開催会場に選ぶことで、ターゲットに設定した富裕層に訴求しやすくなるでしょう。
富裕層に合ったイベントの開催は、ターゲット顧客との関係性強化や、ブランドの認知度アップにつながります。
富裕層データの活用例2:ターゲット広告の最適化
富裕層にアプローチする方法として、広告配信も有効な施策の一つです。
まず、富裕層データで富裕レベルの高いエリアを把握します。その分析をもとに、特定のエリアに居住するユーザや、特定の場所を訪れるユーザを対象にした広告配信をおこないましょう。
このようにターゲット広告を最適化することにより、無駄な広告費をかけずにターゲットへアプローチできるため、販促にかける費用対効果の向上が期待できます。
富裕層データの活用例3:GISを組み合わせた商圏調査
富裕層データの活用方法として、GISを組み合わせた商圏調査も有効です。
《GIS(Geographic Information System)とは》
「地図情報システム」と呼ばれる、コンピュータを使い複数の地理情報を地図上に重ねて、データ化や分析をおこなうシステムのこと。
2024年現在、国内には富裕層を定義する公的なデータが存在しないため、GISで富裕層を可視化することはできません。
そこで、GISとマップマーケティング社の富裕層データを用いて富裕層が多く居住するエリアを可視化し、エリアマーケティングにおける商圏調査に活用する方法があります。
GISツールでは、インポートしたさまざまなデータの一元管理や分析が可能です。例えば「富裕層データ」と「家計調査年報によるエリア・品目別の支出データ」を組み合わせて可視化すると、富裕度が高いエリアの支出動向を把握できます。
家計調査年報をもとに推計した統計データを詳しく知りたい方は、以下のページをお役立てください。
富裕層マーケティングの成功に欠かせないポイント2つ
富裕層をターゲットとしたマーケティングを成功させる上では、2つのポイントが欠かせません。
- ターゲットを明確にする
- ターゲットニーズを正確に読み取る
それぞれについて解説しますので、ポイントを意識した戦略を考えましょう。
富裕層マーケティングのポイント1:ターゲットを明確にする
富裕層マーケティングを成功させる1つ目のポイントは、ターゲットを明確にすることです。富裕層と呼ばれるターゲット層の中でも富裕レベルは幅広く、セグメントを絞った明確なターゲティングが欠かせません。
ターゲットを絞り込む際には、資産額で富裕レベルを分類する以外に、以下3パターンの特徴別に富裕層を分類する考え方があります。
種類 | 特徴 |
オールドリッチ | 古くから資産を代々引き継ぐ富裕層の家系。親から子に相続し、次の世代へ資産を継ぐことを重視するため、保守的な思考を持つ人が多い。 |
ニューリッチ | 若くして、一代で資産を築いた経営者や投資家など。資産運用で資産を積極的に増やしたいと思っている経営者や投資家に多い。 |
その他 | スポーツ選手や芸能人などの著名人。ニューリッチに似ているが、高額商品の消費に積極的な傾向がある。 |
このように富裕層といっても特徴が異なり、「何に対して資産を使いたいか」というニーズが違うため、ターゲットに適したマーケティング戦略が重要です。
富裕層マーケティングのポイント2:ターゲットニーズを正確に読み取る
富裕層マーケティングを成功させる2つ目のポイントとして、ターゲットニーズを正確に読み取ることが欠かせません。これは、ターゲットが富裕層以外の場合においても重要です。
富裕層のニーズを知る方法の一つに、消費行動の分析があります。分析で「富裕層がどのようなときにお金を使うのか」を把握できると、ターゲットニーズを満たす商品やサービスを提供しやすくなるでしょう。
富裕層がお金を使う状況として考えられる具体例を、以下に挙げます。
富裕層がお金を使う状況 | 具体例 |
時間を短縮したいとき |
|
自身の外見を磨くとき |
|
人生の豊かさを求めるとき |
|
「富裕層」と一括りにして捉えるのではなく、ターゲットがお金を使うシチュエーションを知ってターゲットニーズを読み取り、マーケティング戦略に生かしましょう。
まとめ:富裕層データを活用して効果の高いマーケティングを実施しよう
- 富裕層データは、企業への調査依頼やデータ購入などで取得可能
- 取得した富裕層データは、さまざまなマーケティング施策に生かせる
- 富裕層マーケティングの成功には、ターゲットを絞ったアプローチが不可欠
2024年の時点では国内における富裕層データの明確な定義はないものの、企業への調査依頼や販売データの購入といった方法で富裕層データを取得できます。これにより、年収や貯蓄状況をもとにした富裕レベルの高さを把握し、富裕層がどこにいるかを可視化できるでしょう。
また、取得した富裕層データは販促イベントの企画やターゲット広告の最適化、GISを組み合わせた商圏調査などに活用できます。
富裕層マーケティングを成功させるには、ターゲットを明確にすることに加えてターゲットニーズを正確に理解し、それらを意識した富裕層へのアプローチが欠かせません。記事で取り上げた富裕層データの取得方法や活用方法を参考に、効果的なマーケティング戦略につなげましょう。