市場調査のやり方を5ステップで解説!実施の注意点もチェックしよう
「市場調査をおこないたいが具体的なやり方が分からない」
「商品やサービスの展開に効果的な手順を知りたい」
というように、市場調査のやり方に悩む方は多いことでしょう。市場調査はマーケティング施策を考えるうえで欠かせない要素の一つです。商品・サービスの売れ行きや顧客満足度を上げるためには市場調査のデータが欠かせないのです。
今回は、市場調査を効率的に進めるやり方を5つのステップに分けて解説します。また、調査をおこなう際の注意点も紹介しますので併せて確認していきましょう。今後に生かせる市場調査のポイントを知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
目次
市場調査を効率的に進めるやり方5ステップ
市場調査の精度を高めるには、計画、実施、調査結果を意思決定に生かすという手順に則ったやり方でおこなうことがポイントです。
市場調査を効率的に進めるには次の5ステップでおこないます。
- ステップ1.市場調査の目的を明確にする
- ステップ2.市場調査の詳細設計をおこなう
- ステップ3.デスクリサーチで情報を集める
- ステップ4.市場調査を実施する
- ステップ5.結果の分析や仮説検証をおこなう
次からそれぞれの手順を解説しますので、流れとともにやり方を確認していきましょう。
ステップ1.市場調査の目的を明確にする
目的設定は市場調査の最重要項目であり、明確な目的を決めることで必要な情報を効率的に収集しやすくなります。
目的を設定せずに調査を進めても、自社にとって必要な情報を得られないばかりか、不必要な調査によりコストや労力を無駄に消費しかねません。明確な目的設定がなければ、市場調査の結果を問題解決や売上アップに生かすことも難しいでしょう。
まずは、企業の課題や解決したいことを洗い出し、市場調査で収集すべき情報を明確にしましょう。洗い出せる課題としては、次のような要素が挙げられます。
- 市場の環境:顧客のニーズや購買傾向、競合商品の現状
- 情報発信:キャンペーンや広告のリーチ効果
- アイデアやコンセプト:商品・サービスの問題点や満足度
このような課題を把握した上で市場調査の目的を明確に決めることがポイントです。
ステップ2.市場調査の詳細設計をおこなう
市場調査の目的が決定したら次は詳細設計です。ここでは、市場調査の方法や時間、予算といった具体的な要素について決めていきましょう。市場調査の方法は、大きく分けて定量調査と定性調査の2種類があります。
定量調査は数値データとして表せる情報を収集・分析する目的でおこなう手法で、調査対象が大人数であるため全体の傾向をつかみやすいことが特徴です。例えば、アンケート調査や会場調査などがあります。
一方、定性調査では、数値にできない行動や発言などのデータを収集します。少人数を対象とすることが多く、1対1やグループでのインタビューなどが代表的な調査方法です。定めた調査目的によって使うべき手法は異なるため、目的達成のために最適な調査方法を選ぶことが大切です。
ステップ3.デスクリサーチで情報を集める
計画設計が完了した後はすぐに調査を実施するのではなく、デスクリサーチで情報を集めましょう。「デスクリサーチ」とは、政府や調査会社が発表している統計データなどの資料で情報を調べることです。デスクリサーチで得た情報は、市場調査で質問する項目や実施内容を考えるときの参考になります。
また、デスクリサーチを事前におこなうことで求めていたデータが無料で手に入る場合もあるでしょう。
インターネットで情報を調べるときには、データの参照元が信頼のおける団体かを忘れずにチェックすることが必要です。
ステップ4.市場調査を実施する
デスクリサーチをおこなったら、立てた計画に従って市場調査を実施しましょう。実際に市場調査をする前に社員か関係者に回答してもらって、選択肢や実行内容のフィードバックを受けるとより効果的に調査を進められます。
全て自社でおこなうことも可能ですが、以下のような場合は調査会社を利用したほうが効率的といえます。
- スキルが必要な調査方法である
- 調査対象とつながる手段がない
- 匿名で調査をおこないたい
- 自社の課題をうまく調査設計に反映できない
市場調査を外注する場合は複数の会社を検討し、特に費用やサービスの質をしっかり確認してから依頼しましょう。
ステップ5.結果の分析や仮説検証をおこなう
最後に、調査結果の分析や仮説検証をおこないます。調査によって得たデータを集計し分析したレポートを作成しましょう。
定量調査の場合は集計した数値から傾向をつかみ、定性調査の場合はモニターの発言や行動をもとに、データを整理していきます。集めたデータをただまとめるのではなく、今後その内容を運営や開発に生かせるように意識しながらレポート作成をおこなってください。
このとき、データ全体の傾向とそれぞれの要素を掘り下げて別の視点から分析することが大切です。多角的に市場を分析し、具体的なアクションへとつなげていきましょう。
市場調査をおこなう際の注意点
市場調査をおこなう際の注意点として、次の3つが挙げられます。
- 常に目的を意識して調査をおこなうこと
- ターゲットの設定は曖昧にしないこと
- 調査前には必ず仮説を立てること
これらに気をつけながら調査をおこなうことで精度を高め売上につながる施策を立案しやすくなるでしょう。
市場調査の注意点1:常に目的を意識して実行する
目的設定は市場調査を成功させるために特に重要な工程であるといえます。なぜなら目的設定を誤ると、今後の売上や顧客満足度などに影響を及ぼすからです。
最初に決めた目的に沿って洗い出した課題や問題点を解決するための市場調査である、という意識を常に忘れないことがポイントです。
さらに、調査結果を施策のどの部分に生かしていくのかを考え、カバーできる目的を設定するとより効果的です。調査目的がずれると精度が低下するため、必ず意識しておきましょう。
市場調査の注意点2:ターゲットの設定を細かくおこなう
市場調査では調査ターゲットが誰でも良いわけではないため、対象者を事前に細かく決めておくこともポイントです。
同じ商品についての調査でも年代や職業などの属性が違えば評価が正反対になる可能性もあります。ターゲット属性によってライフスタイルや世帯年収、知識、商品に対する捉え方などが異なるからです。そのため、事前に自分の会社が売り込みたいターゲット層を精査し、調査する必要があります。
市場調査の注意点3:仮説を立てて調査をおこなう
市場調査は、仮説を立てた上でおこなうことが重要です。ここでいう仮説とは、調査内容の仮の答えを意味します。
仮説と実際の調査内容を比較することでさらに精度の高いレポートを作成できます。仮説を立てる際に調査で得られるデータの活用方法を考えておくと、実際の調査結果から具体的な施策に結びつけていけるでしょう。
まとめ:市場調査の手順を押さえて効率的に売上に繋げよう
- 市場調査は売上や顧客満足度の向上に欠かせない
- 5つのステップで効率的な市場調査ができる
- 注意点を押さえることで市場調査の精度を高められる
売上や顧客満足度の向上が市場調査の目的であり、そのためには効率的な調査をおこなって施策を検討していくことがポイントです。
市場調査は、この記事で紹介した5つのステップに沿っておこなうと効率的です。特にステップ1の目的設定を明確にすることで、自社の問題解決につながりやすくなります。注意点として挙げた目的意識やターゲットの設定、仮説立ては調査の精度を高めるうえで重要であるためぜひ押さえておいてください。
効率的な市場調査をおこなって商品開発や販売に生かし売上アップを目指していきましょう。