顧客維持率を高めるポイントは3つ!低くなる原因や計算方法についても解説

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顧客維持率を高めるポイントは3つ!低くなる原因や計算方法についても解説
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店舗の売上を上げるには、継続して店舗を利用する既存顧客を増やすことが重要です。
しかし「既存顧客が定着せず、集客コストが高くなってしまっている」「離反顧客を減らして既存顧客を増やす方法がわからない」などの悩みを持つ方は多いでしょう。

離反顧客を減らして既存顧客を増やすには、顧客維持率を意識したマーケティングの実行が欠かせません。

今回は顧客維持率の定義と、低くなってしまう要因や高めるためのポイントを解説します。顧客維持率を高めたい方、顧客維持率が低くなる原因や計算方法を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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マーケティングに欠かせない顧客維持率とは?3種類の定義を解説

「顧客維持率(CRR:Customer Retention Rate)」とは、一定期間中に取引を継続している顧客の割合です。

顧客維持率が高い店舗は、顧客満足度が高く、売上も伸びやすいと判断できます。長期的に取引してくれる顧客が増えることで、LTV(顧客生涯価値)の上昇や新規顧客獲得にかかるコストの削減といった効果を期待できるでしょう。

顧客維持率には3種類の定義があります。

  • フルリテンション:毎日利用してくれている人のみを顧客とする
  • クラシックリテンション:利用開始から1ヶ月経過した日に利用している人のみを顧客とする
  • ローリングリテンション:任意の期間を定め、期間内に利用している人のみを顧客とする

ビジネスモデルや商品・サービスによって、用いるべき定義は異なります。自社のビジネスモデルに適した定義を選ぶことが大切です。

顧客維持率が低くなる主な要因は2つ


顧客維持率が低くなる主な要因として、以下の2つが挙げられます。

  • 商品やサービスの満足度が低い
  • 商品やサービスの魅力が顧客に伝わっていない

それぞれの要因について詳しく解説します。該当する項目があれば、改善できないか検討しましょう。

顧客維持率が低くなる要因その1:商品やサービスの満足度が低い

商品やサービスになんらかの問題があって満足度が低くなっている場合、自社よりも魅力的な他社の商品を見つけた顧客は離反する可能性が高いです。つまり、顧客維持率が低下しやすくなります。

商品やサービスに対する顧客満足度を高めるには、提供する商品やサービスの質を上げることはもちろん、

「この企業の商品なら安心して買える」
「サービスが素晴らしいから他の企業の商品は買えない」

などと顧客に感じてもらうことが大切です。

顧客維持率が低くなる要因その2:商品やサービスの魅力が顧客に伝わっていない

顧客に商品やサービスが持つ本来の魅力を伝えられなければ、

「続けて利用する価値を感じられなかった」
「他社商品との違いがいまいちわからなかった」

などの理由で顧客維持率が低下する可能性があります。

顧客維持率を上げるには、商品の使い方や特性・魅力といった重要な情報をわかりやすく伝えることが必要です。顧客に「また利用(購入)したい」と感じてもらえるよう、価値や魅力の伝え方も工夫するとよいでしょう。

顧客維持率を高める3つのポイント

顧客維持率を高めるには、3つのポイントがあります。

  • 顧客ニーズを満たす
  • 継続利用を促す工夫をする
  • 商品やサービスの使い方や機能を伝える

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

顧客維持率を高めるポイントその1:顧客ニーズを満たす

顧客維持率を高めるには、以下2つのステップでマーケティングに取り組み、顧客ニーズを満たすことがポイントです。

  1. 顧客ニーズを的確に把握する
  2. ニーズを満たす販売戦略を実行する

顧客維持率を上げるには、顧客ニーズを正しく理解することが欠かせません。顧客データ分析とアンケートなどの調査を活用し、顧客の消費動向や求められている商品・サービスを知ることから始めましょう。

次に、顧客ニーズを満たすための販売戦略を立てます。商品やサービスの内容を見直してニーズに応える新たな商品の開発に取り組むことが、顧客維持率を上げるポイントです。

顧客維持率を高めるポイントその2:継続利用を促す工夫をする

継続利用する顧客を増やして顧客維持率を高めるには、

  • 継続的に使うとお得である
  • 利用していることに価値がある

と感じてもらうことが欠かせません。

例えば、利用するほどお得感を得られる会員制度を導入する、利用頻度の高い顧客限定のキャンペーンを実施するといった工夫が効果的です。顧客に対し、継続利用するメリットを伝えましょう。

また、一定期間の利用がない既存顧客に対しては、自社の存在を忘れられないようにするための定期的なアプローチが有効です。メルマガ、DM、アプリの会員制度などを活用し、利用歴のある顧客にお得な情報やクーポンを配信するといった施策も検討しましょう。

顧客維持率を高めるポイントその3:商品・サービスの使い方や機能を伝える

「購入したけど、使い方がいまいちわからなかった」
「良い商品だとは思うが、うまく使いこなせなかったから次は買わないかな」

このような理由で継続購入や利用をやめてしまう顧客のリピート率を上げるには、商品・サービスの使い方や機能を、いかにわかりやすく伝えられるかがポイントとなります。

顧客維持率を高めるには、顧客が商品やサービスを使い始める際に、それらを使いこなし、最大限の魅力を感じられるように支援すること(オンボーディング)が有効です。

顧客維持率の計算方法

顧客維持率を計算する際は、以下3つのデータを計測しておく必要があります。

  • 計測開始時の既存顧客数
  • 計測期間中に増加した新規顧客数
  • 計測終了時の総顧客数

適切な計測期間はビジネスモデルによって異なるため、自社にとって最適な期間を設定しましょう。1年もしくは四半期を計測期間に設定するケースが多いですが、1ヶ月や1週間といった短い期間で設定する企業もあります。

分析に必要なデータを収集・整理したら、以下の計算式で顧客維持率を求めます。

顧客維持率(%)
=(計測終了時の総顧客数-計測期間中に増加した新規顧客数)÷期間開始時の既存顧客数×100

計算後は結果を振り返り、平均値との比較や算出結果の原因、顧客維持率の改善案などを考えることが大切です。

顧客維持率の計算例

顧客維持率の計算例として、以下の情報を使って実際に計算してみます。

  • 計測期間:4月1日から6月30日まで(四半期)
  • 計測開始時の既存顧客数:700人
  • 計測期間中に増加した新規顧客数:200人
  • 計測終了時の総顧客数:760人

これらの数字をあてはめて顧客維持率を求めたのが、次の式です。

顧客維持率80%
=(計測終了時の総顧客数760人-計測期間中に増加した新規顧客数200人)÷期間開始時の既存顧客数700人×100

この計算から、上記の計測数値をもとに算出した顧客維持率は80%であることが分かります。

まとめ:顧客維持率を見直して顧客満足度を高め、売上アップにつなげよう

  • 顧客維持率とは、一定期間中で顧客が取引を継続した割合のこと
  • 顧客維持率が低くなる要因は、満足度が低いことや魅力を伝えきれていないことであると考えられる
  • 顧客維持率を高めるには、3つのポイントを意識したマーケティングが求められる

顧客維持率の定義には、フルリテンション・クラシックリテンション・ローリングリテンションの3種類があります。ビジネスモデルに合わせて適切な定義を使いましょう。

顧客維持率が低い場合は「この企業の商品なら安心して買える」「サービスが素晴らしいから他の企業の商品は買えない」といったように、高い満足度を感じてもらうことが大切です。商品やサービスが持つ本来の魅力を顧客に伝えて「また利用したい」と思ってもらうことも欠かせません。

顧客維持率を高めるには、以下の3つが重要です。

  • 顧客ニーズを満たす
  • 継続利用を促す
  • 商品・サービスの魅力を感じてもらう

これらのポイントを意識してマーケティングに取り組むために、まずは顧客数を集計し、自社の顧客維持率がどの程度なのかを計算してみましょう。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

タグ : 分析手法 顧客データ分析 顧客分析 顧客維持率
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