競合分析はポジショニングマップが有効!メリットややり方、注意点を解説

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ポジショニングマップを使った競合分析は、市場における自社の立ち位置を明確にし、狙うべきターゲット層や競合との差別化ポイントの発見に役立ちます。
とはいえ「ポジショニングマップを競合分析に活用できるイメージが湧かない」「何を判断材料に競合分析を進めるべきかわからない」と悩む方は、多いのではないでしょうか。

競合分析にポジショニングマップを活用するには、市場や顧客への理解を深めた上で、正しいやり方でマップを作ることが欠かせません。

今回は、ポジショニングマップを競合分析に活用するメリットや分析方法、活用時のポイントを解説します。ポジショニングマップによる競合分析の具体例も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

ポジショニングマップを競合分析に活用するメリットと注意点

ポジショニングマップとは、自社と競合の商品やサービスをマッピングして現状を把握し、改善点を見いだす際に使えるフレームワークです。
縦横の軸を引いたマトリクスによって、競合と自社の位置関係を視覚化し、商品やサービスが市場のどこに位置しているかを分析できます。

自社商品の特徴や競合との差別化ポイントを明確にするときの判断材料として活用できるため、新たな戦略の立案にも役立つでしょう。例えば、新商品を投入する際やターゲット層を発見するための市場分析などに活用可能です。

競合分析でポジショニングマップを作るには市場や顧客の分析が必要

競合分析にポジショニングマップを活用するには、競合分析を単体で進めるのではなく「市場・顧客」「競合」「自社」という3つの視点による分析、いわゆる「3C分析」が欠かせません。

まず市場分析や顧客分析をおこない、顧客のニーズや属性を明確に言語化することで、ポジショニングマップの軸となる「顧客が商品を買うときに、重要視することは何か」を洗い出しやすくなります。顧客に対する理解が曖昧なままでは、競合や自社を正確に位置づけることは困難なためです。

特に、新しい市場やニッチな市場の競合分析に取り組む場合、競合の定義づけ自体が難しいこともあります。市場分析や顧客分析で顧客を深く理解し、市場の特徴を明確化したうえで競合分析を進めることにより、ポジショニングマップはマーケティング戦略に有効な判断材料となるでしょう。

ポジショニングマップを使った競合分析のやり方4ステップ

ポジショニングマップを使った競合分析は、以下の4ステップでおこないます。

  1. 商品やサービスのKBFを洗い出す
  2. 洗い出したKBFを分析する
  3. ポジショニングマップの軸を決める
  4. マトリクスに自社・競合の立ち位置をマッピングする

それぞれの手順を解説します。

ポジショニングマップを使った競合分析のステップ1:商品やサービスのKBFを洗い出す

まずは、分析対象とする自社・競合の商品やサービスを選び、KBFを洗い出します。KBFとは、顧客が商品やサービスの購入を決定する要因のことです。

《KBFの例》

  • 価格
  • デザイン
  • 口コミ
  • 保証の有無
  • 割引率 など

KBFを洗い出す際は顧客にアンケートやインタビューをおこない、商品を購入した決め手をリサーチするとよいでしょう。

ポジショニングマップを使った競合分析のステップ2:洗い出したKBFを分析する

KBFの洗い出しができたら、自社・競合の商品やサービスをそれぞれの項目に従って評価します。このとき、以下のようなKBF比較表を作って、評価内容を視覚的に表示するとわかりやすいです。

自社・競合のKBFを評価する際は、顧客に対する理解を深めたうえで、顧客のニーズに基づいておこなう必要があります。評価内容の偏りを防ぐため、客観的に評価することがポイントです。

ポジショニングマップを使った競合分析のステップ3:ポジショニングマップの軸を決める

洗い出したKBFの中から、ポジショニングマップの縦軸と横軸に設定する2項目を決めます。軸を決める際は、競合分析の目的に合わせて適切な項目を選びましょう。

  • 自社商品・サービスの優位性を分析する場合:競合他社より評価の高い項目を選ぶ
  • 自社の立場を客観的に分析する場合:顧客の購買に強く影響するとされる項目を選ぶ

縦軸・横軸に設定するKBFによって分析から得られる結果が異なるため、目的に合わせて慎重に選ぶことが大切です。

ポジショニングマップを使った競合分析のステップ4:マトリクスに自社・競合の立ち位置をマッピングする

最後に、KBFの設定が済んだマトリクスに自社・競合の評価を載せていきましょう。KBF比較表の評価結果に基づいてマッピングをおこない、ポジショニングマップを完成させます。

完成したポジショニングマップから、自社に優位性のある領域や差別化できそうな領域、競合がおらず狙い目となる領域などを読み取れます。

ポジショニングマップを競合分析に活用する際のポイント

ポジショニングマップを競合分析に活用する際のポイントとして、以下の2点があります。

  • 関連性の低い要素を軸とすること
  • ポジショニングマップの空白は狙い目となる

ポジショニングマップの競合分析への活用ポイント1:関連性の低い要素を軸とすること

ポジショニングマップを効果的に活用するには、関連性の低い要素を軸として選ぶことが重要です。

例えば「価格」と「機能性」の場合、機能性が良ければ値段も高くなる傾向があるため、関連性は高いといえます。こういった要素を軸にするとマップ上の分布が偏ることになり、分析結果の二極化を招き、競合や自社の微妙な位置関係を把握しにくくなります。

そのため、独立した2つの軸を選ぶことがポイントです。関連性のない軸を選ぶと、多角的な視点による競合や自社の位置づけが可能となり、より精度の高いマーケティング戦略を立案できるでしょう。

ポジショニングマップの競合分析への活用ポイント2:ポジショニングマップの空白は狙い目となる

ポジショニングマップ上の「空白地帯」は、競合が存在しない市場の隙間を示す重要なポイントです。空白部分を見つけられると、他社と直接競争する必要がないため、差別化戦略を構築しやすくなります。

例えば、新たなターゲット層に向けた製品やサービスを開発する際、競合のいないエリアを狙えば、市場でのポジションを効率的に確立できる可能性が高いでしょう。
空白地帯を狙ってマーケティングをおこなうことは、特に競争の激しい市場で優位性を得るためには効果的な戦略であるといえます。

ポジショニングマップを使った競合分析の例2選

ここではポジショニングマップを使った競合分析の活用例として、以下の2つを取り上げます。

  • 飲食店の新規出店にともなう競合分析
  • 家電ブランドにおける競合分析

登場する企業は、仮想の団体です。例として、ポジショニングマップ活用の参考にしてください。

ポジショニングマップを使った競合分析1:飲食店の新規出店にともなう競合分析

飲食店の新規出店を検討するA社が、以下の2要素を軸としてポジショニングマップを作成したとしましょう。

  • 横軸:駅からの距離(アクセスが良い or アクセスが悪い)
  • 縦軸:ターゲット層の属性(単身世帯 or ファミリー世帯)

ポジショニングマップを作成するために、競合店の位置や商圏の居住者データをもとに以下のような表を作成します。

以下が、表をもとに作成したポジショニングマップです。

ポジショニングマップを見ると、

  • 商圏内の競合店には、ファミリー世帯をターゲットにした店舗が多い
  • 駅からのアクセスが良くない店舗が多い

などの特徴が読み取れます。
つまり、出店を予定している地域では「ファミリー世帯向けの飲食店」はある程度充実していると考えられます。さらに、マップ上では「駅からのアクセスが良く、単身世帯向け」のエリアに空白が見られました。

この分析結果をもとに、A店は以下のような内容を出店計画に盛り込む予定です。

  • 駅からのアクセスが良く、通勤時に立ち寄れる立地での出店
  • 単身者が立ち寄りやすい1人席やカウンターが多い店内配置
  • 忙しい単身者のライフスタイルに合わせ、デリバリーやテイクアウトのサービスを充実させる
  • モバイルオーダーやキャッシュレス決済を導入して、利便性を強化する
  • 単身世帯が多い周辺地域向けにマーケティング施策を実施する など

このように、ポジショニングマップの空白を狙うことで、差別化戦略によって競争優位性を確立しやすくなるでしょう。

ポジショニングマップを使った競合分析2:家電ブランドにおける競合分析

家電ブランドAが自社開発の製品に対して、以下の軸をもとにポジショニングマップを作成したと仮定します。

  • 縦軸:価格帯(高価格帯 or 低価格帯)
  • 横軸:年齢層(若年層 or 中高年層)

家電ブランドAは、まず表に各ブランドの要素について数値でまとめます。この表をもとに、以下のようなポジショニングマップを作成しました。

ポジショニングマップの内容から、ブランドごとの顧客の年齢層と購買力を評価します。その結果、以下の情報がわかりました。

  • 若年層向けの低価格帯の手ごろな商品を提供するブランドが多い
  • 価格帯と年齢層の高さは比例している傾向にある
  • 自社と同等の年齢層をターゲットにしたC社は価格帯が自社よりも高い

そこで、家電ブランドAは競合が集中している「低価格帯の若年層向け製品」ではなく、品質やブランド性を重視する客層に向けた高価格帯の商品を開発する計画を立てることにしました。さらに、デザイン性や機能性に違いを出し、若年層向け製品と中高年層向け製品を提供するという戦略も考えられるでしょう。

主な施策として、家電ブランドAは次の取り組みを考えています。

  • 既存の商品が中高年層にどう評価されているのかリサーチし、強みを伸ばす改善をおこなう
  • 若年層が「高くても買いたい」とおもう機能性やデザイン性について調査し、製品開発に生かす
  • 年齢層に合わせた製品プロモーションをおこない、価格の高さに納得してもらえるような製品のメリットを訴求する など

このようにポジショニングマップで自社製品の立ち位置を整理することで、現行商品の改善や新商品開発の方向性を定めやすくなります。

まとめ:ポジショニングマップを使った競合分析で自社が狙うべき市場を見つけよう

  • 競合分析にポジショニングマップを使うことで、競合と自社の位置関係を視覚的に把握できる
  • ポジショニングマップ作成時は、KBFを洗い出した上で関連性の低い要素を軸に設定することがポイント
  • ポジショニングマップの空白領域は、競合のない、狙い目の市場となる

ポジショニングマップによって市場における競合と自社の位置関係を把握できるため、競合との差別化ポイントの発見や自社の優位性の確認に活用可能です。

ポジショニングマップを作成する際に2軸とする要素は、自社商品・サービスの優位性を分析する場合は競合他社より評価の高い項目を、自社の立場を客観的に分析する場合は、顧客の購買に強く影響すると思われる項目を選びましょう。

関連性の高い要素を軸とすると分析結果が二極化されてしまうため、独立した2つの軸を選ぶことが大切です。また、ポジショニングマップの空白部分には競合が存在しないため、新たに市場を開拓する上での狙い目になります。

競合分析に役立つポジショニングマップを作るためのステップとして、まずは自社の競合となる企業を選び、強み・弱みをリスト化して理解を深めることから始めてみてはいかがでしょうか。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

タグ : ポジショニングマップ 分析手法 競合分析
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