出店戦略に使えるフレームワークとは?出店基準の項目も併せて紹介します

エリアマーケティング
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経営方針や展開しているサービスによって、出店戦略は変わってきます。また、出店地の選定に関しても、候補地の人口や将来的な人口数、購買力などで変動する部分が多くなっています。
そのため、出店地選定の際に分析していきたい情報は、どこまで幅広く調べればいいのか、わからない部分が多いですよね。

そこで今回は、出店戦略を練る際の大前提を解説しながら、参考までに店舗開発で使える3つのフレームワークや出店地域を決める基準となる4つの項目を紹介します。

なお、出店分析のノウハウは以下のページで資料でまとめています。


出店戦略を練るために知っておきたい2つのこと


出店地を選定する際の大前提として、

  • 経営方針(事業戦略)に沿った地域
  • ベースとなる立地戦略

を把握しなければなりません。経営方針に沿った地域へ出店することで、ターゲットとなる顧客層へのセールスが容易となり、出店戦略の構築がはかどります。

主要駅周辺の出店と郊外での出店を比較した場合

例えば主要駅周辺に大型店舗を構える大手百貨店は、電車を利用して来店するハイブランドを求める客層をターゲットにしているため、必然的に店舗数が少なくなります。
一方で郊外では、コンビニや外食チェーンなどの日常的な商品を取り扱うケースが多く、利便性が重視され消費者の生活に密接していることから、狭い商圏内で店舗数が必然的に多くなるといわれています。

上記の例に沿って解説すると、
経営方針に沿ったハイブランドの属性をターゲットにするのであれば、駅周辺での立地選定を行い、
生活圏に合わせた立地であれば消費者起点で立地選定を行う必要があります。

つまり、どういった消費者をターゲットにするのか、どういった商材を扱うかは経営方針によって左右されるため、ベースとなる立地戦略を固めることで、より精度の高い出店戦略を構築できます。

立地選定のための検討プロセス

立地戦略は、小規模都市向け・大都市向けの2つの検討プロセスがあるといわれています。

小規模都市では

  • 地域の選定
  • 地点の選定

の2段階プロセスで立地選定を行います。

大都市では前述の2段階プロセスに加え、「地区の選定」を加えた

  • 地域の選定
  • 地区の選定
  • 地点の選定

の3段階プロセスで立地選定を行います。

地域の選定では、経営方針・立地戦略が決定され、立地条件として商圏内の人口や顧客の所得、交通事情などを把握する必要があるといわれています。

地区の選定では、前述の地域の選定に加え、競争環境、地区のランクが検討され、評価・選定を行います。
地点の選定では、小売店舗が立地しようとする場所の商圏人口の推移や出店地の面積や形状などの特性、周辺環境などを評価して、出店地として向いているかを評価分析します。

しかし上記の検討プロセスは、すでに出店している特定な領域での立地において限界点が指摘されています。また2つのチェーンストア同士が合併した場合など、自社競合となる可能性も検討しなければならないといわれています。

出店戦略に使える3つのフレームワーク


ここからは、出店戦略に使える3つのフレームワークを紹介していきます。

3C分析

出店戦略に使えるフレームワークとして、まず3C分析が挙げられます。

3C分析とは、「Company(自社)」「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」の3点から現状を分析するフレームワークのこと。出店戦略を構築する上でも必須の項目です。

顧客と競合外部環境自社内部環境と捉え、顧客のニーズやライバルを分析することで、マーケティング戦略の成功要因を把握できるでしょう。つまり、3C分析を用いることで、競合企業の状況や市場環境を把握したうえで出店地を選定することで、より効果的な出店が可能となり、事業の成長に繋がっていきます。

4P分析

続いて出店戦略に使えるフレームワークとして、4P分析が挙げられます。
4P分析とは「Product(商品・サービス)」「Price(価格)」「Promotion(販促・広告)」「Place(店舗・流通)」の4点から分析するフレームワークのこと。

3C分析で成功要因を把握し、4Pについて最良の組み合わせを考えることで、他社との差別化が可能となります。また4Pを考える上では、まず誰に売るのかを確定させ、市場のどのポジションで売るのかを決めておくことも重要です。

SWOT分析・クロスSWOT分析

さらに出店戦略で使えるフレームワークとして、SWOT分析が挙げられます。

SWOT分析は「S:Strength(強み)」「W:Weakness(弱み)」の内部要因、「O:Opportunity(機会)」「T:Threat(脅威)」の外部要因から分析する手法です。

これら4つの項目について要因を書き出し、関連する項目をクロスさせて分析する手法を、「クロスSWOT分析」と呼びます。

例えば、S×Oでは、強みと機会が重なる要因を抜き出して、強みを最大限に生かすためには何ができるのかを分析したり、W×Tでは、弱みと脅威が重なる要因を分析して、危機的な状況を打開するためには何ができるかを把握したりすることで、事前に対策を練られるようになります。

なお、内部要因は自社の努力で強みを活かしたり、弱みを克服したりできる要因です。一方で外部要因は政治経済、景気の動向による要因なので、自社でコントロールするのが難しくなっています。

出店地域を決めるための基準となる4つの項目


店舗が営業する出店地域を決めるための基準として、以下の4つの項目が挙げられます。

項目1:商圏内人口

出店地選定の際は、どの程度の人口数が来店するのかを予測し、参入する市場の成長具合を判断しなければなりません。人口が増え市場規模が拡大する場所なのか、それとも過疎化して縮小していく場所なのか、出店の際は商圏内人口が重要な要素となります。

業種によってその商圏距離に違いはありますが、商圏内の人口、未来人口、年齢別人口、家族構成なども併せて把握することで、自社に合った商圏なのかどうかも把握できるでしょう。

商圏の範囲については、こちらの記事でも紹介しています。

項目2:商圏の購買力

顧客の収入に合わせて価格設定を行い、商品・サービスを販売することで、ある程度の売上が見込めます。

商圏の購買力把握には国勢調査における統計データを分析したり、商圏内の消費者のライフスタイルを分析したり、エリアマーケティング専門の会社からデータやレポートを購入するなどの選択肢があります。

項目3:交通事情

店舗への来店を阻害する要因、つまり「商圏バリア」と呼ばれる存在がないかを調査するために、実際に現地へ赴き状況確認を行なう必要があります。

特に大きな道路、電車の路線、河川などの交通事情を調査し、顧客が来店を阻んでいる障害となっていないか、状況を分析することが重要です。

項目4:同業種競合・他業種競合の調査・分析

同業他社の商圏や売上を把握し、競合の可能性がある他業種の店舗も調査し、顧客のニーズを割り出すことで、自店舗が取るべき戦略が見えてきます。

その際、同業他社だけではなく、他業種でも競合となりうる条件を洗い出し、分析することも忘れないようにしましょう。

まとめ:出店戦略のフレームワークとは

新しく店舗を出店する際は、まず3C・4P分析で現状を把握し、SWOT分析で自社が競合に勝てる要因を割り出す必要があります。

また基準となる主な項目として、「商圏内人口」「商圏の購買力」「交通事情」「同業種・他業種競合」が挙げられ、出店後の売り上げを左右する重要な要因となります。
変動要因も多い店舗開発の出店地選定の業務ですが、ご紹介したポイントを参考に、より条件の良い出店地選定をしていきましょう。

商圏分析で市場を把握。新規出店の調査がスムーズに。

タグ : 店舗 集客
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