商圏人口の調査では何を調べるの?調査方法や分析データを学ぼう!
商圏人口の調査はマーケティングに欠かせませんが、調査手法や調査用データの入手方法をご存じですか。商圏調査用のデータは気軽に入手できるうえ、商圏調査においてターゲットの理解や販売戦略の策定に大きく役立ちます。
今回は、商圏人口の調査をおこなう目的やエリアマーケティングに役立つ分析・調査手法を解説します。この記事で商圏人口の調査手法を理解して、実際におこなってみましょう。
目次
商圏人口の調査をする目的とは
商圏人口の調査目的は、該当範囲で暮らす人々の性別や年齢・世帯・収入などを調査してデータ化することで、ターゲット層を明確にすることです。
ターゲット層がわかれば消費者ニーズをつかみやすくなり、提供する商品やサービス、出店する店舗の運営方針、販促手法といったさまざまな戦略を的確に立てられるでしょう。
商圏人口の調査の元となる分析データ
商圏調査の際に使われる分析データには、いくつかの種類があります。ここでは「国勢調査」と「各自治体の統計データ」を紹介します。
商圏人口の調査向けデータ1:国勢調査
国勢調査は統計法に基づいて、総務省統計局によって「日本国内の外国籍を含むすべての人及び世帯」を対象として5年に1度実施される調査です。
国勢調査のデータは分析ツールに搭載されるデータの大元となる詳細データです。
国勢調査結果からは主に以下の項目が読み取れます。
- 総人口
- 男女別人口
- 年齢別人口
- 世帯数
- 世帯の家族類型
国勢調査の統計数値はインターネット上で公開されているので、簡単にアクセスできます。
商圏人口の調査向けデータ2:各自治体の統計データ
国全体のデータ以外に、各自治体で公開している統計データもあります。
市町村区分での男女比率や世帯比率、人口推移などを参照できるため、商圏調査に役立ちます。国勢調査がおこなわれるのは5年に1度ですが、各自治体では毎年更新されるのでより高精度のデータを入手可能です。
市区町村をさらに細かく分類した地域別の年代人口も存在します。各自治体の統計データは図書館や市区町村役所で閲覧可能です。
インターネット上でデータを公開している自治体もあります。データの充実度は自治体によって異なるため、実際に使う前に一度チェックしておくと良いでしょう。
商圏人口の調査に役立つ分析・調査手法
商圏人口の調査元となる分析データを入手できたら、分析・調査を実施します。いくつか存在する中から、ここでは代表的な3つの分析・調査手法を紹介します。
手法その1:実地調査
実地調査とは、実際に商圏へ出向いて人の特性や地域の雰囲気を調べる手法です。数値データ化できないエリアの特性を、目で見て確認できます。
人・自転車・車の交通量や、店舗への訪問を妨げる要因となる商圏バリア、土地特有の消費傾向などをチェックしましょう。付近の学校や会社、大型商業施設などを確認することも実地調査におけるポイントです。余裕があれば現地の人に話を聞いてみると、さらに詳細な情報が手に入ります。
統計データの数値と現地調査で得られる情報を組み合わせることで、商圏に対する理解を深められます。
手法その2:競合店分析
データや周辺情報を参照するだけではなく、競合店の分析も重要です。自社の商圏にある競合店の品ぞろえや顧客層、価格帯、周辺環境などを把握・分析しましょう。競合店ではどのような商品やサービスにニーズがあるのか、どういった顧客層が来店しているかを調べることで、人口特性の解像度をアップできます。
企業全体では情報開示をしていても、個別の店舗データは公開されていないことが多いです。そのため、実際に競合店を訪問してその状況を肌で感じ取ってみたり、集客の実数値を計測してみたりするとよいでしょう。また、自店舗と関わりのある業者や、来店客との会話から競合店情報を獲得するのも有効です。
手法その3:アンケートなどの独自調査
店舗でのアンケートや会員登録といった独自の手法を導入して、顧客の声を聞くことも欠かせません。顧客の特性を掴みやすく、調査の参考になります。
実際の声を収集できるため、数値データや実地調査の観察では得られない情報や本音を聞けるのが大きなメリットです。
独自調査では店舗利用者のデータは集まりやすい一方、潜在顧客のデータが集まりにくいので、情報の取り扱いには注意が必要です。ポスティングや街頭調査などと組み合わせながら、情報を獲得して整理しましょう。
商圏人口の調査はペルソナ作成にも活かせる
「ペルソナ」とは、商品やサービスを提供するターゲットを具体的に想像して設定した架空の人物像です。家族構成や性別、年齢、趣味などを細かく設定し「一人の人物」を作ることでターゲットが望むものを把握しやすくなりマーケティングの精度を高められます。
商圏人口の調査で集計したデータを元に設定すると、自店舗の方向性や地域の需要に合ったペルソナを作成しやすくなります。まず大まかなターゲットを設定してからデータを収集・分析し、分析結果を活用してペルソナを具体化していきましょう。
作成する際は、3C分析で言語化したCustomer(市場・顧客)の特性を思い出し、設定した市場・顧客像に合致しているかも作成の基準としていきましょう
まとめ:商圏内のデータを集め、マーケティングに役立つ調査をおこなおう!
- 商圏人口の調査は消費者理解を深め、マーケティングを成功に導く
- 調査に役立つ分析データや分析手法は複数存在する
- ペルソナ作成にも商圏人口調査は役立つ
商圏人口の調査によってターゲット層を明確にすることは、消費者が求める商品やサービスの提供、売上アップに向けた販売戦略の策定につながります。数値データを入手するとともに実地調査や競合店分析、アンケート調査をおこなうことで、より多角的に商圏を理解できます。
今回の記事で紹介した分析データの入手方法や役立つ分析手法を参考にして、商圏人口の調査を実施し、効果的な戦略を立てていきましょう。