商圏分析で押さえるべき5つの項目とは?基本的な分析の手順も解説

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商圏分析は、店舗開発やマーケティングの成功に欠かせない要素です。しかし、実際の場面で分析すべきことは何か、どのように分析を進めるかがわからない方も多いのではないでしょうか。

今回は、商圏分析で押さえておくべき5項目や4つのステップによる効果的な分析方法、分析に役立つデータの入手方法などを解説します。

商圏分析の基礎を学びたい方は、ぜひ記事を最後までご覧ください。

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商圏分析で押さえておきたい項目は5つ!

商圏分析で押さえておくべき項目は、以下の5つです。

  • 人口・年齢・性別
  • 地域の特性・消費傾向
  • 地域の文化・風習
  • 競合店舗の数・シェア率
  • 商圏バリア

それぞれの項目を確認し、分析に取り組む場合をイメージしましょう。

商圏分析の項目その1:人口・年齢・性別

まず、商圏の人口数や年齢・性別の割合などを調べ、ターゲット属性ごとの構成比率を調査します。

調査の際は、現在だけでなく過去や未来のデータ推移を確認し、出店時の人口から来店可能性を見極めることが欠かせません。

商圏分析の項目その2:地域の特性・消費傾向

出店を検討している地域に住む人々の移動手段や消費傾向、ライフスタイルなどを調査します。

消費傾向は、
ターゲットがよく利用するスーパー・コンビニや、
家計調査年報データで各エリアの食料・外食・衣類・教育・医療費といった項目ごとの支出傾向

などを調べることで把握できます。

このように、地域に住む人々の日常的な特性をつかむことで、自社が販売する商品の最適化や顧客ニーズを満たすサービスの提供につなげられるでしょう。

家計調査年報のデータは以下のページで紹介しています。

商圏分析の項目その3:地域の文化・風習

地域別の文化や風習について把握することも、適切な商圏分析をおこない、店舗運営を成功させるうえで重要なポイントです。地域住民の食の好みや行事、伝統の風習、地域ならではのコミュニケーション方法などについて調査しましょう。

特に、地域密着型店舗の出店を計画している場合、商圏分析の際は地域の文化や風習をしっかりと調査しておくことが大切です。

商圏分析の項目その4:競合店舗の数・シェア率

商圏分析では、商圏内の競合他社数やシェア率なども把握しましょう。また、競合店と自店舗の距離などを調査しておくと、実際の来店が期待できるターゲット数や売上予測を立てやすくなります。

さらに、数値的なデータだけでなく競合他社の強みや弱みといった特徴を分析することで、自社の差別化ポイントを創造できるでしょう。

商圏分析の項目その5:商圏バリア

商圏分析では、商圏バリアの確認も欠かせません。

商圏バリアとは、商圏を歪め、顧客の来店を妨げる要因です。例として河川や山、線路線、車線数の多い道路などが挙げられます。

商圏バリアがあると、顧客の来店導線を塞いでしまうことになります。見落としたまま出店した場合「予想よりも来店数が少ない」「集客施策の効果が見込めない」といった問題が発生する可能性があるため、商圏バリアは出店前に確認しておきたい項目の一つです。

商圏分析を効果的におこなうための4ステップ

商圏分析を効果的におこなうためには、以下の4ステップで分析を進めるのがおすすめです。

  1. 自社データを地図にマッピングする
  2. 商圏エリアを決定する
  3. 統計データを統合して分析する
  4. 分析レポートを作成してPDCAを回す

それぞれの手順を確認し、効果的な商圏分析を実行できるようにしましょう。

商圏分析のステップ1:自社データを地図にマッピングする

商圏分析では、はじめに自店舗の位置や競合店舗の位置などを地図上に確認し、マッピングします。

このとき、顧客データも地図に反映させて分析できると、実際の顧客情報に基づいた深い洞察を得やすくなります。顧客情報は、店舗の会員情報やPOSデータから抽出可能です。

商圏分析のステップ2:商圏エリアを決定する

続いて、地図にマッピングした情報をもとに、自社が狙えそうな商圏エリアを定めます。

「このエリアまでは売上が期待できる」「これ以上エリアを広げると赤字になる可能性がある」といった損益分岐点となる範囲を見極めましょう。

商圏エリアを決定するときは、実際にターゲットの来店が見込める範囲で設定しましょう。

商圏分析のステップ3:統計データを統合して分析する

ステップ1でマッピングした自社・顧客・競合などの情報と、ステップ2で決定した商圏エリアに統計データを統合し、商圏の人口や年齢、富裕度などを分析します。

統計データとは、ある一定の集団の特性や傾向を数量化したデータです。統計データは、国勢調査の結果やGIS(Geographic Information System)と呼ばれる地理情報システムなどを用いて取得できます。

分析結果から自社の強み・弱みや売上が高い(低い)店舗の特徴などを明確化し、今後取り組むべき課題や改善点を発見しましょう。

商圏分析のステップ4:分析レポートを作成してPDCAを回す

分析が完了したら、分析レポートを作成してPDCAを回していくことが欠かせません。

分析結果は店舗ごとにレポート化し、各店舗の特徴をスムーズに把握できるようにしましょう。また、分析結果は担当者と共有し、客観的な視点を持ってマーケティング戦略を考えます。

分析結果をもとにした出店戦略や販促戦略を立て、実行後には再び商圏分析をおこない、その結果を次の戦略に生かしていくことがポイントです。

商圏分析に役立つデータを入手する方法

商圏分析に役立つデータの代表的な入手方法として、以下の2つがあります。

  • 政府統計データ
  • 企業が収集・加工したデータ

ここでは、それぞれのデータ入手方法を解説します。

政府統計データ

政府が収集した統計データを使用することで、正確なデータを基にした商圏分析をおこなえます。ツールによっては、業種や地域などに絞ったデータや地図情報以外のさまざまなデータを閲覧可能です。

政府の統計データを入手するには、総務省統計局のWebサイト「e-Stat」からデータをダウンロードする方法があります。

e-Statでは17の分野から統計データを閲覧でき、人口・世帯や労働・賃金に関するデータのほか、業種別の統計情報などを分析に活用できます。

企業が収集・加工したデータ

公的なデータのほか、企業が収集・加工したデータを入手する方法もあります。

さまざまな企業が統計の調査データを公開しており、レポート内容によって以下のような情報を取得できる場合があります。

  • 特定サービスの利用ユーザに関する情報
  • 企業独自の項目による詳細な消費者情報
  • 統計情報を基にした将来的な予測レポート

総務省統計局が提供しているデータよりも、より踏み込んだ視点での調査データを閲覧できることが特徴です。

マップマーケティングが提供しているエリアマーケティング用の調査データは以下のページで紹介しています。

まとめ:正しい商圏分析で店舗開発やマーケティングに役立てよう

  • 商圏分析で押さえるべき項目は全部で5つ
  • 分析の実行後はPDCAを回して次の戦略に生かす
  • 分析に役立つデータは政府や企業から入手可能

商圏分析に必要な項目には、人口・年齢・性別のほか、地域の消費特性や文化、競合店舗、商圏バリアなどが挙げられます。

分析では、地図に自社・顧客・競合の情報をマッピングし、決定した商圏エリアに統計データを統合して各項目を分析しましょう。分析後はレポートを作成し、結果をもとに次の戦略を考えることがポイントです。

政府や企業が提供する統計データを活用し、店舗経営の成功につながる商圏分析を実行しましょう。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

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