関係人口とは?地域に関わる人々を増やす具体的な施策と合わせて解説

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地方に根ざしたビジネスを展開する上で、「関係人口」が地域経済に大きく影響することをご存じでしょうか。

今回は、地域ビジネスにおいて欠かせない関係人口の定義や重要性、関係人口の増加によって得られる効果、関係人口を増やすための施策を解説します。

地域密着型のビジネスを発展させたい方や、地方創生を目指す事業に関わっている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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関係人口とは、地域と流動的に関わる人々のこと

関係人口とは、地域や地域の人々とさまざまな関わりを持つ人々です。これは、地域に移住した「定住人口」や、観光・仕事などで地域を訪れる「交流人口」とは異なります。

以下の区分は、総務省が定めた関係人口の定義です。

  • 行き来する者「風の人」
  • 地域内にルーツがある者「近居・遠居」
  • 何らかの関わりがある者「過去の勤務や居住、滞在等」

出典:総務省ホームページ(https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/about/index.html

関係人口は「ファンベース」と「仕事ベース」の2種類に大別されます。それぞれの概要を簡単に解説します。

関係人口の種類1:ファンベース

ファンベースの関係人口とは、趣味や娯楽といったように、楽しみややりがいを目的に地域と継続的に関わる人々を指します。

例えば、次のような人々がファンベースに含まれます。

  • 地域の農作業や田植えに協力する人々
  • 地元の祭りや伝統行事に定期的に参加する人々
  • 地域のスポーツイベントやクラブに参加し、地域住民と交流する人々

関係人口の種類2:仕事ベース

仕事ベースの関係人口とは、地域外からフリーランスや副業・兼業といった働き方で地域企業と連携し、関わる人々を指します。

仕事ベースの関係人口例としては、次のような人々が挙げられます。

  • 首都圏に拠点を置きながら、地方自治体からリモートで仕事を受注し、週末に現地を訪れて打ち合わせをおこなうITエンジニア
  • 地方の農産物加工会社と提携し、商品パッケージのデザインや広告素材の制作をリモートで提供し、必要に応じて現地を訪れるデザイナー
  • 地方の観光協会または地域メディアと協力し、観光案内や特産品の紹介記事を執筆し、リモートで納品するWebライター

関係人口が増えることによる2つの効果とは?

関係人口の増加によって期待できる効果は、次の2つです。

  • 地域の活性化
  • 個人の自由な働き方の実現

それぞれについて、具体的にどのような効果が得られるのかを見ていきましょう。

関係人口増加の効果1:地域の活性化

地方自治体にとって、関係人口の増加は地域の活性化につながるでしょう。これが、関係人口の増加による1つ目の効果です。

地域外の関係人口が定期的に訪れると地域の経済活動が活発になり、商店・飲食店などの売上や雇用機会の増加が期待できます。また、観光資源や特産品が注目され、地域のブランド価値が向上すると、観光産業や地域産業の発展といった地域づくりにもつながるでしょう。

関係人口の増加で、人材不足の解消から地域の活性化も

さらに、地域の人口の減少・高齢化といった課題がある場合、関係人口がさまざまな地域活動やプロジェクトに参加して地域の担い手となれば、労働者不足・後継者不足の解消も望めます。

また、関係人口の増加によって地域に積極的に関わる人々が増えると、地域のコミュニティや文化の活性化も期待できます。地域外からもたらされる新たなアイデアによって地域の伝統や文化が再評価され、独自性の強化につながる可能性もあるでしょう。

関係人口増加の効果2:個人の自由な働き方の実現

関係人口が増えると、個人の自由な働き方を実現する機会が広がる効果も得られます。

以前と違って現在ではリモートワークやフリーランスなど、都市部に固定されない、幅広い働き方を選べるようになりました。

これにより、個人は自身のライフスタイルに合わせて「都市部に拠点を置きながら週末に地域を訪れて活動する」「地域での仕事を通じて都市部に定期的に戻る」といった柔軟な働き方を実現しやすくなります。

さらに、仕事を受注するだけでなく地域の人々と交流を深め、地域の課題解決に自らが参画する機会を得れば、自己成長やライフスタイルの確立にもつながるでしょう。

関係人口を増やすための具体的な施策とは

関係人口を増やすための前提として、訪れた人々が観光だけで終わらず、その地域に愛着を持つような取り組みが必要です。つまり、地域の良さを知ってもらうきっかけ作りが欠かせません。

そのためには、単に観光や仕事で訪れてもらうのではなく、一定期間地域の生活圏に触れ、慣れ親しんでもらえる機会を設けましょう。

関係人口を増やすための施策の一部として、以下の方法が挙げられます。

  • 週末移住や季節移住
  • ワーケーション
  • 二地域居住
  • リゾートバイト

ここでは、具体的な施策例を2つ紹介します。

関係人口増加の施策例1:移住者が少ないエリアへの週末移住を提案する

地域を訪れる人々(交流人口)に、その地域の魅力や文化を十分に理解してもらった上で移住者が少ないエリアへの週末移住を提案する取り組みで、関係人口の増加が期待できます。

週末移住を提案する前に、移住者が少なく、かつ来訪者の多いエリアを人流データで分析しておきましょう。人流データとは、特定の場所から場所へ人が移動する動きを数値化したデータで、GPSやWi-Fiなどで取得した情報を分析したものです。

移住者が少なく来訪者が多いエリアを特定したら、そのエリアの来訪者に週末移住を認知してもらうための取り組みをおこないましょう。例えば、Web広告や駅広告を活用して週末移住の認知を広める、自治体の公式サイトに週末移住を希望する人向けが問い合わせフォームを設けるなどの施策があります。

関係人口増加の施策例2:ワーケーション導入企業からの認知を高める

関係人口を増やすためには、ワーケーションを導入している企業にその地域を認知してもらい、ワーケーションを促す方法もあります。

地域の認知を高めるには、まず、人口減少が進む地域や活性化を目指す地域の人流データを使い、具体的なエリアを特定しましょう。ワーケーションを受け入れる地域を特定したら、以下のような方法で企業に対して認知を促します。

  • ワーケーションに特化したポータルサイトに登録
  • ワーケーション導入企業をターゲットとした広告の配信

ポータルサイトのページや広告に問い合わせフォームを設置し、スムーズにワーケーションを導入できれば、地域における関係人口の増加が期待できます。

マップマーケティングが提供する「TerraMap Web」では、地域の人流データをもとにした、来訪者や通行量の詳細な分析が可能です。効果的な分析を通して関係人口を増やすための施策をおこないたい方は、以下のページよりお気軽にお問い合わせください。

まとめ:関係人口を増やして地域活性化を実現しよう!

  • 関係人口とは、地域と流動的に関わる人々のこと
  • 関係人口の増加は、地域の活性化や自由な働き方の実現につながる
  • 関係人口を増やすには、地域の生活圏に触れ、慣れ親しんでもらうのが大切

地域や地域の人々との関わりを持つ関係人口が増えると、地域経済の活性化が期待できます。また、地域外に拠点を持ち、関係人口となる人々にとっては、都市部に固定されない個人の自由な働き方の実現につながるでしょう。

関係人口を増やすには、単に観光で地域を訪れる人を増やすのではなく、地域に愛着を持ってもらうことが欠かせません。

この記事で紹介した関係人口を増やすための施策を参考に、地域の活性化につながる取り組みをおこなっていきましょう。

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